返品できない設備のため、サイズ感には要注意
◆キッチンまわりの交換の注意点
キッチンまわりの交換は大事な部分なので、3段階に分けて紹介していきます。
①キッチン交換
ブロックキッチン(通常キッチンは流し台、調理作業台、コンロ台の3つに分かれています。このタイプのキッチンをブロックキッチンと呼びます)の交換で一番簡単な方法は、縦横奥行きの寸法を測り、まったく同じものを探すと調整が不要なので、おすすめです。キッチンの外し方は、キッチンを持ち上げて下部を手前に引きます。その際、排水に注意しましょう(こちらもYouTubeで検索すれば、動画でやり方を確認できます)。この作業だけでもお金を取る業者もあります。
サンウェーブという、キッチンの価格が安いメーカーがあります。ここで買うと、流し台1万2000円、調理作業台1万円、コンロ台8000円程度となり、合計してもだいたい3万円です。安価なのでおすすめですが、傷が付きやすいのが難点です。
これより少しいいもので、マイセットという会社のものでそろえると合計5万円を少し超えるくらいになります。
キッチンの取り付けは大工さんに任せてもいいでしょう。取り付け作業だけを単体で発注すると高くなるので、ほかの作業と一緒に任せるか、ホームセンターで購入して、その際に取り付けをそこでお願いする方法もあります。
②上部吊戸棚交換
上部吊戸棚交換で一番簡単な方法は、これも①同様、縦横奥行きの寸法がまったく同じものを探すと調整が不要になるのでおすすめです。こちらも安いメーカーはサンウェーブで1万円程度です。こちらにも少しいいものでマイセット製があります。キッチン同様、取り付け依頼は大工さんに任せます。
③レンジフード交換
①②と同様、レンジフードの交換でも一番簡単な方法は、縦横奥行き寸法がまったく同じものを探すことです。安いものは「ビバオリジナル」の製品で2万6000円程度で、排気が上からと横からのものがあります。難点は①②③のすべてにいえることですが、返品ができない設備なので、間違ったサイズを買わないよう注意しましょう。
ガス会社から「ガスコンロ」を無料でもらえる場合も
◆ガスコンロの設置
ガスコンロは、ガス会社から無料でもらえるという場合は「付ける」、もらえない場合は「付けない」という考え方でいいでしょう。
ただ、付けたほうがいいエリアもあるので、管理会社に確認をしてみてください。エリアによっては入居者が自分のものを持ってくることが多いところもあり、勝手に付けないほうがいい場合もあります。
◆IHクッキングヒーターの交換
ワンルーム向けのミニキッチンに備え付けらえている一口のIHクッキングヒーターの交換についてです。一番簡単な方法は、外してから「これに合うものはどれですか」とホームセンターに行って聞き、対応するものを確認して交換していきます。電熱式のヒーターからの交換が多く、一口のIHクッキングヒーターはインターネットでの購入で1万2000円程度と安くすみます(外し方、設置方法はYouTubeで確認できます)。
◆戸建てならできるだけシングルレバー水栓を入れる
水道のカランは、シングルレバー水栓に換えなくても新品にするだけで十分で、500円ほどですみます。ポイントは「新品」ということをポップで謳うことです。
これはクロスやCFなどにもいえることですが、「新品です」と書くだけで印象度はぐっと高まります。重要なのは「新品であるかどうか」で、おしゃれでなくても、使いやすくなくてもいいのです。清潔感が大事です。
ただ、この考え方は家賃によって変わります。戸建てなら水道のハンドルはシングルレバーにしたほうがベターです。シングルレバーの水栓は見た目がきれいなので、交換したほうがセールストークにもなります。
キッチンはシングルレバー水栓(メタル式7000円)、浴室はサーモスタット付き混合水栓(メタル式1万5000万円)がおすすめです。
もし換えない場合は、「シングルレバーの水栓がなくてもリモコンで給湯の温度設定ができますよ」とポップに書けば納得してもらいやすくなります。初心者からすると水まわりの整備は難易度が高く感じるものですが、ジョイフル本田(茨城県を中心に関東地方にある大型ホームセンター)に簡単に取り付けができるキットが売っています。
注意点として、水栓金具の交換はほかのDIYに比べて難易度が高く、入居後に水漏れがあると追加費用がかかり、二度手間になる可能性があります。そのため、YouTubeで交換方法を詳しくチェックして慎重に行なってください。
いずれも調整金具の購入が必要なため、プロパンガス会社に材料のみ施主支給(オーナーが購入して支給すること)して、交換のみ無償で行なってもらえるかどうかを交渉しましょう。
黒崎 裕之