まずは「管理料の確認」からヒアリングをスタート
◆不動産会社へのヒアリングリスト
具体的に聞く項目19個をまとめました。参考にしてみてください。
質問① 管理料の確認
「○○町の物件なのですが、もし御社に管理をお任せする場合、管理料はいくらですか?」
最初にこう確認することで、相手はこれから話す質問について、こちらの話に答えてくれやすくなります。
質問② 入居者のターゲット
「この物件に対して需要はあるか?」「入居者のターゲットとなる属性(学生、近くの○○工場勤務の単身者、新婚とか)は何か?」を聞きます。女性向け、男性向けのほか、単身向けかファミリー向けなのかを確認します。ターゲットがファミリーの場合、小中学校までの徒歩でかかる時間、コンビニだけでなくスーパーマーケットが近いかなども確認しましょう。ちなみに女性向けの物件であれば、治安的な要素を気にするケースが多いです。
質問③ 駐車場の台数
「駐車場は何台あって、住戸数以上の駐車場が確保できているか。なければ近隣駐車場はどこにあるのか?」を聞きます。田舎は車社会であり、駐車場がないと致命的なので入居者が決まりません。
質問④ 物件のメリット・デメリット
「この物件のメリット、デメリットは何か」を自分の意見をもとに質問してください。物件の印象や賃料次第で決めやすい物件かどうかを聞きます。
質問⑤ 敷金・礼金・広告料・更新料の相場
敷金・礼金・広告料・更新料の相場の確認をします。敷金・礼金が取れるエリアや、広告料が少なければ客付けに強いエリアだという判断ができます。
質問⑥ 家賃相場
成約家賃相場と、「御社が3か月を目処に決められる自信のある家賃はいくらぐらいか?」を聞きます。
質問⑦ 地域最安値の家賃
「最初は満室を優先させるため、地域最安値にしたい」と説明し、いくらなら決まるかを聞きます。高く貸すのは安く貸すより100倍難しいため、あえて低い家賃を設定します。相手の返事を受けてから、その賃料で得たい利回りが確保できるかも再度計算してください。
質問⑧ 広告費
地域最安値の賃料に設定した前提で、「2か月分の広告費をお渡ししたら、御社なら何か月で満室にできますか?」と聞きます。できれば「3か月以内」という回答がほしいところです。
質問⑨ 空室率
物件周辺の同じような年数、間取りの物件の空室率がどのくらいかを聞きます。これは需要を知るためです。
「弱み」となり得る要素を事前に確認
質問⑩ 生活利便施設
物件周辺に生活用品などを購入できる店が近くにあるかを聞きます(スーパーマーケット、コンビニ、ドラックストアなど)。
質問⑪ 生活保護の月の支給額上限
生活保護の月の支給額上限はいくらかを確認します。1人暮らしはいくらなのか、ファミリーではいくらなのかの、両方を聞きましょう。地域によっては相場賃料を上まわる可能性もあります。
質問⑫ 需要変化の兆し
この地域にある大学の移転や、大手工場の閉鎖などの予定はないかを確認します。震災などがあれば、その影響による空室または入居への動きはあるかを聞いて、需要変化の兆しを知ります。
質問⑬ 物件やその近隣の歴史を聞く
近隣に変な人が住んでいないか?事件や事故はなかったか?物件で殺人、病死などがなかったかなどを聞きます。可能ならば、近所の人に聞いてみるのもいいかもしれません。
質問⑭ 競合物件のスペック
物件周辺に似たような間取り、設備などの物件があるかを確認します。新築予定の物件があれば、建築中、建築途中の物件はあるかなど、競合物件についてを確認します。それらに勝たなくてはならないので、どんな物件かという概要も聞いておきます。
質問⑮ 物件周辺の嫌悪施設・土地の高低差
物件の近くにお墓やゴミ処理場などの嫌悪施設などがあるか、また、物件のまわりに坂があるかを聞きます。これらがあった場合は弱みになるため、対策を立てる必要があります。
質問⑯ プロパンガスの地域かどうか
プロパンガスの地域であるかの確認をします。とくに近隣もプロパンガスかどうかを確認します。プロパンガスのエリアであれば、入居者のガス代が都市ガスに比べて高くなります。反面、プロパンガス業者からのサービスが期待できるので、事前に確認しておきます。
質問⑰ 土地売買のニーズ
土地が売買される場所の確認をします。物件が戸建て用地としていくらで売れるのか、もしくは店舗やアパート再建築のイメージが付くか、土地に値段が付くかを聞きましょう。
質問⑱ 必要なリフォームの内容
この物件ではどこまでリフォームをしたらいいかを確認をします。とくに、どのレベルの工事をしたら賃料を上げられるかを中心に聞きますが、実際のところ、ほとんど上げられないケースが多いです。
次に、レベル1〜3までリフォームの段階を説明しますが、ほとんどの物件ではレベル1の工事で十分です。レベル1はいわれなくても行なう内容で、レベル2、レベル3を行なうべきかをヒアリングします。
●レベル1
絨毯をCF貼り、もしくはフローリング、汚れたクロス・襖の張り替え。LEDシーリングライトの設置。畳にウッドフローリング、もしくは折りたたみカーペットを敷く。キッチン扉にカッティングシート(赤)などを貼る。古い取っ手・カランを交換。蛍光灯・換気扇のヒモの交換、もしくは折りたたみカーペット、または畳の表替え。照明拭き。アップライト・カーテン・ゴミ箱の設置。汚れたシャワーホース、シャワーヘッドの交換。汚れたトイレットペーパーホルダーの交換。汚れた浴槽の鏡(棚付き)への交換。汚れた水道の蛇口の交換。スイッチプレートの交換。姿見設置、玄関土間のCFの貼り替え。玄関に引っ掛けシーリングがあれば人感センサーライトの設置。物件まわりの植栽剪定。汚れた集合ポストをステンレス製に交換。
●レベル2
キッチン・洗面台の交換、インターフォンの設置、アクセントクロスの張り替え、壁掛け収納。
●レベル3
外壁・鉄部・屋根塗装、敷地に余裕があればトランクルームの設置(差別化のため)。
質問⑲ 家具・家電付きについて
家具家電設置(とくに家電=洗濯機、冷蔵庫、電子レンジ)で客付けに効果があるかを聞きます。
黒崎 裕之