融資の感触を探るための「当てる」案件の探し方
(不動産の)融資先を開拓するためには、以下の情報を全て把握する必要があります。
●どこの銀行が
●どのエリアの
●どんなスペックの物件を
●どのくらいのスピードで
●どのくらい融資してくれるのか
金融機関の融資スタンスは常に変わっていくため、新規や既存の銀行も含めて、融資先をどれだけ開拓し続けられるか、銀行からどれだけ情報を集められるかが、とても重要です。そのための具体的な方法を紹介します。
まず、実際に買うかどうかはさておき、自分が欲しいスペックに近い物件や積算が出そうな物件など、銀行に見せて融資の感触を探るための、「当てる」案件を見つけ出します。
当てる案件ですが、不動産ポータルサイトの「楽待」や「健美家」などのサイトから、自分の投資エリアや予算、投資スタイルに近い物件を、適当に選べば良いと思います。
●楽待(らくまち) http://www.rakumachi.jp
●健美家(けんびや) https://www.kenbiya.com
●不動産連合隊 http://www.rals.ne.jp
具体的な案件がないと銀行は動いてくれませんので、買う、買わないに関係なく1件ずつ案件を当てて、融資の感触を探っていきます。いざ、本気で購入したい物件が出てきたときに、当てた案件と同じような評価が出るとは限りませんが、一度稟議書を書いてもらって本店まで上がっていれば、新規の案件ではなくなります。仮に内諾まで取っていたら、実際に案件を持ち込んだときのスピードが俄然早くなるのです。
金融機関の開拓は、モロに利益に直結する動きです。
しかし、サラリーマンの方は平日に時間が取れないと思うので、従業員を雇ってこの業務を担当させるのも良い方法だと思います。僕も紹介された銀行は自分で行きますが、基本的には従業員に開拓をやらせています。そのため、取引のある銀行であっても、実は支店にすら行ったことのないところが何行もあります。
誰が行くかは問題ではありません。自分にいくらの融資が付くかを、できるだけ早く見極め、対策を練りましょう。
銀行が評価する決算書上の重要な3つのポイント
銀行では、持ち込んだ案件を当てながら感触を探ると共に、銀行が自分の返済能力をどの程度評価してくれるのか、細かくヒアリングしていきます。
銀行は、サラリーマンや自営業といった個人からは、年末調整や確定申告書から「属性」を、法人では、決算書の財務三表などから「経営能力」をスコアリング(評価)します。ちなみに、銀行が評価する決算書上の重要なポイントは、以下の3つです。
●債務償還年数
●自己資本比率
●現金保有高(キャッシュポジション)
債務償還年数は20年以内、自己資本比率は20%以上にすることが望ましいです。これらのスコアを良くするためには、利益を出してしっかり納税することと、売却を絡めてキャッシュポジションを上げていくことしかありません。
積極的に規模を拡大していくつもりであれば、節税はほどほどにしておきましょう。
もし融資がダメであれば、決算書の内容が問題なのか、決算書上ではテーブルに載るけど、案件の担保評価が足りなくてダメなのか、理由をクリアにする必要があります。
また、持ち込んだ物件がダメな場合、どんな物件なら大丈夫なのか、満額が出なかったとしてもどれだけ伸ばしてくれるのか、そのあたりを1案件ごとに深堀りして聞き、データを積み重ねていくことが大事です。
●融資エリア
●融資期間
●耐用年数をどういう基準で見るのか
●金利
●手数料、違約金関係
●評価方法
●遵法性に対する考え方
●預金の必要の有無
●担当者の力量
●融資に対する積極性
こういった情報を細かく収集し、ヒアリングシートにまとめて管理しておきましょう。