今回は、不動産融資を受ける金融機関の増やし方について見ていきます。※本連載では、不動産投資家の木下たかゆき氏の著書、『~最速で億を稼ぎ出す男が明かす~ 不動産投資「勝者のセオリー」』(ぱる出版)の中から一部を抜粋し、不動産投資によって最速で「億」を達成するためのメソッドを紹介していきます。

取引する銀行は多ければ多いほど良い

融資開拓で効果的なテクニックは、「半年に一度のローラー作戦」です。これまで取引のなかった銀行を片っ端から回り、話を聞きに行くのです。

 

なぜ半年かというと、期末の3月、9月を過ぎると、銀行の不動産に対する見方や姿勢が変わることがあるからです。そこで半年に一度、物件を当てながら感触を探ります。そこで、この銀行はイケそうだ、この銀行はまだ全然ダメだなど目処をつけておき、いざ欲しい物件が入ってきたらすぐに持ち込む、という体制を整えておくのです。

 

取引する銀行は、多ければ多いほど良いといえます。単純に取引できる銀行が多いほど融資を引ける確率が上がりますし、いつどこの銀行で融資が閉まっても困らないよう、選択肢を広げておくのです。

 

僕もこのような地道なローラー作戦で、今でも毎年、3~4行くらい取引先を増やしています。関東エリアにも会社の支店を置いたので、最近は特に積極的に回っています。

 

ローラー作戦では、とにかく行動量を増やすことが大切です。大変ですが、1軒でも多く回るほど、人よりも優位に立つことができ、勝率が上がっていきます。平日に時間を確保するのは困難という人も多いでしょう。しかし、人と同じレベルの行動をしていても、普通の結果しか出せません。

 

最初から無理だと決めつけるのではなく、できる方法がないかを考えてみてください。

金融機関の「凄腕の融資担当者」と出会うためには?

金融機関の開拓をうまく進めるには、各金融機関の融資に対する特徴を押さえることも重要です。どの銀行がどんなスタンスで、どのくらい、どういう条件で出すのかを、全て把握するのです。

 

当然、同じ銀行でも支店によって融資の姿勢が変わりますし、担当者によってもレベルが変わってきます。中には「スーパー営業マン」と呼ばれる、

 

●融資が通るかどうかの判断が早く

●無理な場合は早めに教えてくれ

●イケると言ったときは必ず融資が降りる

 

という、凄腕の融資担当者もいます。逆に、出来の悪い担当者に当たってしまうと、本来通るはずの審査に落ちてしまうこともあります。

 

ですから、なるべく業者や投資家仲間に紹介してもらい、融資に積極的な支店や、デキる担当者の所へ行くのが、早く結果を出す秘訣といえます。

 

そのためには、色々な人に話を聞いたりネットワークを作ったりして、紹介してもらいやすい状態にしておくことが重要です。具体的には、大家のコミュニティに入って仲間を作ったり、不動産業者を回って営業マンと関係を作ったりと、できるだけ多くの人脈を作ることです。

 

ただし、自分はいつも「情報をもらうだけ」「紹介してもらうだけ」では、相手にとって紹介するメリットがありません。そこで、自分から融資先を開拓したり、積極的に情報を取りに行って、相手に与えられる情報を持ったりすることが大切です。

 

あらゆる手を使って、1行でも多くの融資先を押さえてください。

「決算書を良い状態にしておく」ということが重要

続いて、金利の交渉について解説します。CFを増やすために、調達金利はできる限り抑えたいところですが、最初の段階では金利交渉を考えなくても大丈夫です。

 

●まずは、借りることを優先する

●金利交渉はその後

 

ということでごちゃごちゃと交渉せず、借りることを最優先しましょう。金利は後からいくらでも下げられるので、ある程度のロットを借りられるだけ借りてしまうのです。その後、下げられるタイミングが来たら、バチっと下げてもらってください。

 

また、融資を引くため、そして金利交渉をしていくためには、融資金額、期間、金利、元金返済の猶予期間など、様々な事項があります。どの交渉についても、「決算書を良い状態にしておく」ということが重要です。もちろん節税も大事ですが、ある程度税金を納めていかないと、銀行がついて来ないのです。

 

特に、物件を買いすぎると決算書が悪くなります。物件を購入した年は、一過性の諸費用や修繕費、広告費など、色々な経費が掛かってくるので、下手をすると営業利益はマイナス、経常利益もマイナスで赤字になってしまいます。きちんと説明すれば理解してもらえることもありますが、なるべく利益をきちんと出した上で、銀行のスコアリングを良くすることを心がけましょう。

 

ただし、スコアリングの仕方は、銀行によって異なります。マイナス利益を、物件購入に伴う一過性の経費と捉えるのか、そうでないかは銀行によって違うので、そのあたりを担当者に率直に聞き、決算書の着地内容をすり合わせるといいでしょう。

 

「来期の営業利益と経常利益は、これくらいでいこうと思うけど大丈夫ですか?」この問いかけが、融資に積極的な銀行や、これから融資が開くであろう銀行とのパイプ作りに、効果的に作用します。

 

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木下 たかゆき

ぱる出版

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