今回は、不動産投資で、掘り出し物件を手にするための「情報収集」の具体的な方法をレクチャーします。※本連載では、不動産投資家の木下たかゆき氏の著書、『~最速で億を稼ぎ出す男が明かす~ 不動産投資「勝者のセオリー」』(ぱる出版)の中から一部を抜粋し、不動産投資によって最速で「億」を達成するためのメソッドを紹介していきます。

ポイントとなるのは「圧倒的な行動力」である

金融機関等の融資先の開拓がうまく進んだら、次はいよいよ物件の購入です。

 

物件購入も融資と同じように、仲介業者を回るなどして膨大な物件情報を仕入れ、圧倒的に安い物件を見つけるという手間をしっかりとかける必要があります。

 

物件の選定を間違えると、その後の賃貸経営に大きな影響を与えます。購入の段階で失敗しないために、仲介業者や売主とうまく渡り合ったり、物件の良し悪しを見抜く眼を養ったりする必要があります。

 

ここでポイントになるのは、圧倒的な行動力です。物件購入のテクニックは、そう難しいものではありません。しかし、実行できる人は多くないからです。努力した分、行動した分、ストレートに収益に結びつく部分です。何としてもやり抜きましょう。

 

皆さんは仲介業者を回るときに、きちんと目的を持っているでしょうか? 物件購入で仲介業者を開拓する目的は、主に次の2つです。

 

●良い物件情報が回ってくるための導線作り

●仲介実績事例をヒアリングすることで、銀行情報等をリサーチ

 

売主も業者も人間である以上、つき合いやコネクションを増やした方が、情報が回ってくる確率は高くなります。どこから優良物件の情報が回ってくるかわかりませんので、できるだけ多くの情報網を張り巡らせておくことが大切なのです。

 

では次に、実際に僕がどのように業者を回ってコネクションを作っているのか、具体的に解説していきます。

物件情報を抱える「営業マン」との関係構築術

①物件情報の導線作り

基本的には収益不動産を扱っている業者を中心に、財閥系、電鉄系、銀行系、地元大手仲介店の全店舗を回ります。可能であれば、店舗の全営業マンを押さえたいところです。

 

大手の店舗では、100人くらいの営業マンがいる場合もあるため、さすがに全員とつながることは現実的ではありません。それでも、数多く当たるほど良い物件が回ってくる確率は上がります。

 

大手を押さえるべき理由ですが、大手は基本、売主と買主双方から仲介手数料が入る「両手」仲介をやりたがります。レインズに載せても「商談中」にしておくなど、なるべく自社で物件を抱え込み、「片手」仲介になる前に決めたいという思惑があるのです。

 

そのやり方に文句を言っても始まりません。こちらとしては、その相手の戦略を逆手に取り、物件に値段がつく前に提案がもらえるような関係性を築き、情報をもらえるようにしておきます。また、大手は全く相場を知らない素人の売主が相談を持ち込むことがあるので、稀にですが、圧倒的に安い物件が回ってくることもあります。

 

営業マンとの関係構築術ですが、普通の人は買わないようなボロボロ、ガラガラ物件や、辺鄙な場所にある物件でも「自分は買います!」というアピールをしたり、月2回くらい電話やメールをして、何かしらのコンタクトを取ったりしておくことが効果的です。

 

相手も人間ですので、疎遠になれば忘れられてしまいます。良い物件が出たときに、「あの人なら買ってくれるかな」と、思い出してもらえるよう印象づけておくことが勝利の決め手となります。

 

意外に疎かにできないのは、駅前でおじいちゃんが1人でやっているような、小さな店舗です。レインズに載っていない掘り出し物件を抱えていることがあるので、大手を回ったついでに、中小の仲介店舗も覗のぞいてみるといいでしょう。

 

②仲介実績事例のヒアリング

 

僕は仲介店を訪問した際、営業マンにその会社の特徴、仲介実績事例などを聞きます。この本当の目的は、それに絡めて最新の銀行情報をたくさん集めることです。

 

どのような物件や顧客が得意で、どういった所に広告を出しているのかなど、会社によって特徴がありますから、そういった情報を聞きつつ、最近どういう物件が成約しているのかといった、仲介実績の事例を聞き出してください。

 

●どのようなスペックの物件に

●どこの銀行をつけて

●売主はどんな方で

●買主はどのくらいの属性で

●どういったロジックで買ったのか

 

例えば銀行なら、「どこの支店がどういう基準で融資をつけたのか?」「なぜ融資が伸びたのか?」「現金や共同担保を入れたからなのか?」などと、どんどん深掘りして聞いていきます。

 

また、銀行の支店や担当を聞いていく流れで、「最近、A銀行B支店のC営業マンがやる気で」といった話を聞けることがあります。話がうまく進めば、その営業マンを紹介してもらえる、というチャンスもあるのです。

 

また、買主の立場だけでなく、売主の立場で感触を探るということもあります。

 

「こういう物件を持っているんですけど、お客さんいますか?」「どこの銀行で融資が付きそうですか?」といった切り口で、自社物件の宣伝をしつつ聞いていくといいでしょう。このようなヒアリングを通じ、取引の背景や、融資を出している銀行の最新情報などを、貪欲に聞き出していきましょう。

 

ちなみに業者回りをする際は、できるだけ相手の印象に残るような服装をして、目立つ名刺を持っていくのがコツです。変わり者に見られるような怪しい格好ではダメですが、営業マンも毎日たくさんの人と名刺交換しているわけで、存在感がないことは致命的なロスになります。

 

僕の場合、初期の頃はTシャツとビーチサンダルが定番でした。今は、大人になったので(笑)、スマートな服装を心がけています。

最良物件の「一番手」を勝ち取るテクニック

仲介業者回り以外にも、有効な情報収集の攻略法があります。いくつか紹介します。

 

①FAXDM攻略法

大阪だけでも宅建業者は2万軒以上あるため、全てをローラーで回ることは不可能です。それをカバーしてくれる方法が、このFAXDMです。

 

FAXDMの良いところは、物件情報を自分の探している条件で、ピンポイントに収集できる点です。原稿の内容は、自分が探している条件の他に、名前、メールアドレス、電話番号、FAX番号を載せて興味があれば返信してください、という感じにしています。

 

具体的な発信方法ですが、原稿作成はインターネットのクラウドソーシングサイト「クラウドワークス」を使い、応募してきたライターとデザイナーに原稿を外注します。そのやり方なら、1件あたり5千円くらいで作成できます。

 

発信は、FAXDMを送ってくれる代行業者に、送付先リストも全てレンタルして委託します。料金は1件あたり2円程度なので、2万件の業者に送ってもトータル4万円くらいの出費です。誰でもできるので、ぜひ取り組んでみてください。実際にこの方法で、業者からコンスタントにメールやFAXで情報をもらえるようになり、成約に至った物件も結構あります。

 

②メールマガジンに登録する

各種のメールマガジン(メルマガ)に登録し、情報を集めるのも有力な手段です。

 

インターネットの「楽待」や「健美家」、「不動産連合隊」など、不動産投資ポータルサイトで収益系の物件情報をメルマガで配信している業者や、レインズの最新情報を配信している業者のメルマガを100件以上、可能な限り登録しましょう。高い安いにかかわらず色々な物件情報が届くので、相場勘も養われます。

 

レインズでも値づけを間違えて、たまに良い物件が出てくることがあります。地方の物件で、売主も業者も収益物件の相場をわかってない、というケースは意外に多いものです。そういった掘り出し物件には、すぐに買いつけが殺到します。

 

そういった場合でも、一番手を勝ち取るテクニックがあります。基本は、即座に物件の元付業者に連絡し、元付が「両手」の仲介手数料を取れるようにすることです。その上で、「なんなら仲介手数料は倍払う」「最悪現金でも買えるから絶対買う」「明日決済でも構わない」といったアピールで押していけば、大体一番手にしてもらえます。僕もこのパターンで、年間1~2棟は買えています。

 

誰にでも真似できる方法ではありませんが、そのくらいの心構えで臨まなければ、掘り出し物件は他の誰かに買われてしまいます。そのときは無理でも、熱意を見せれば、別の物件を紹介してもらえるかもしれません。

 

ちなみに僕はこれまで、数多くの物件を買っていますが、同じ仲介業者から買った例はほとんどありません。ほぼ全部がバラバラの業者からです。つまり、どこから耳寄りな情報が回ってくるかわからないので、とにかく守備範囲を広げる、ということが大切なのです。

 

仲介業者以外に、管理会社や友人、銀行、地上げ屋、ブローカーなどから紹介してもらうケースもあります。普段から色々なコネクションを作っておき、いざとなったらすぐに買える「準備」をしておきましょう。

 

 

木下 たかゆき

不動産投資家

 

最速で億を稼いだ男が明かす 不動産投資「勝者のセオリー」

最速で億を稼いだ男が明かす 不動産投資「勝者のセオリー」

木下 たかゆき

ぱる出版

いつまでも物件を買えない人がいます。儲からない物件を買って、失敗する人がいます。空室が埋まらず、資金繰りに苦しんでいる人がいます。僕には、その人たちが、なぜうまくいかないのかが、手に取るようにわかります。本書を…

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