今回は、多くの投資家が敬遠する、相場よりもかなり安い値段で売却されている「ワケあり物件」の活用術について見ていきます。※本連載では、不動産投資家の木下たかゆき氏の著書、『~最速で億を稼ぎ出す男が明かす~ 不動産投資「勝者のセオリー」』(ぱる出版)の中から一部を抜粋し、不動産投資によって最速で「億」を達成するためのメソッドを紹介していきます。

「ワケあり物件」にはどんな特徴があるのか?

実際に、僕がどんな物件を安く買っているか。その物件の特徴についてお話しします。いきなり非常に残念なお話をしますが、2018年現在、この情報社会において、

 

●普通に綺麗な物件で

●9割以上の入居率にもかかわらず

●明らかに安い

 

という理想的な物件は、市場にはほぼ出回っていません。仮にあったとしても、そんなお宝物件の情報は、皆さんのところには回ってこないでしょう。

 

では、僕のところには回ってくるのかというと、残念ながらそれもありません。何を言いたいかというと、相場よりもかなり安く売られている物件があるとしたら、それは何かしらの問題がある「ワケあり物件」ということです。

 

ここで皆さんにお伝えしたいのは、「ワケあり物件」は買ってはいけない物件ではない、ということです。むしろ、これこそが、狙い目の物件といえるのです。

 

では、ワケあり物件とはどんな特徴があるのでしょうか?

 

①立地が微妙でリーシング(客付)が難しい

②間取りの競争力が弱い

③修繕されていない

④空室率が高い

⑤賃貸受給バランスが崩れている

⑥耐用年数が短い、もしくはない

⑦違法性あり

⑧反社会的勢力など、ややこしい人が住んでいる

⑨借地権などの権利関係がややこしい

⑩滞納者が多い

⑪決済まで時間がない

⑫競売等で売主からの引き継ぎがない

⑬融資特約不可

⑭心理的瑕疵あり

⑮融資が付かない

⑯再建築不可

 

中には、こういった問題がひとつではなく、複数当てはまる物件もあります。ボロボロでガラガラなのに加え、再建築不可で融資が付かない、といった具合です。このタイプの物件は、多くの投資家が手を出さないため、価格が下がりやすくなります。

 

逆に、こういう悪条件が揃わなければ、相場より圧倒的に安くはならないのです。こういった悪条件では、問題に慣れている人や、解決方法がわかっている上級者でないと、普通は怖くて買えません。

 

僕は、このような「ライバル不在」の物件をよく買っています。物件の抱える問題は大きければ大きいほどハイリスクハイリターンになります。では、もしその問題を自分で解決できたり、コントロールできたりしたら、どうでしょうか? ハイリスクが一転、ローリスクハイリターンに変わるのです。

 

つまり、ハイリスクハイリターンに見える物件を安く買い、ハイリスクの部分を解決し、自分の力でローリスクハイリターンに変えていくのが、僕の成功パターンなのです。

 

そこで必要になるのは、「物件の抱える問題に対処できるスキル」です。そのスキルは、キャッシュポジションなどの財務力だったり、法的なノウハウだったりします。時には協力業者が必要な場合もあります。

 

様々な問題が起きたときの対処法について、情報収集に励み、勉強を続け、日頃から準備できる人になることで、ライバル不在の物件を買えるようになります。

 

ちなみに、「問題がないのに安く買える」という例外のパターンもあります。それは次の3つです。

 

●売主が適正価格を知らず、業者に丸め込まれている

●売主が売り急いでいて、足元を見ながら値段を叩ける

●任意売却で、銀行の抹消同意が安い価格で得られる

 

これらはラッキーパターンで、見つけたら即買いしたいところです。

「借地権や再建築不可の物件」は融資が付きにくいが…

先ほどのワケあり物件の中には、さすがに解決が難しいパターンもあります。これからいくつか解説していきます。

 

①借地権など権利関係がややこしい

借地権とは、第三者の所有する土地を借りて、建物を建築したり所有できる権利です。新法と旧法が混在し、地主に対して借地料を支払うのはもちろん、建物の売却や譲渡、増改築の際には地主の承諾が必要になるなど、権利関係のハードルも高くなります。

 

また、共有名義の土地で、2分の1だけ売りに出ている物件なども権利関係が面倒です。持ち分が半分だと、残り半分の所有者と交渉しなくてはなりません。その結果がどうなるか読めなければ、なかなか手を出せないのです。

 

交渉がうまくいけばお宝物件になりますが、とんでもない条件を突きつけられたりして、何年経っても進展しない可能性もあります。さらに持ち分が2分の1では、物件の売却も難しくなります。公売ではよく見かけるパターンですが、僕も持ち分2分の1には手を出したことがありません。

 

また、接道してない土地も、他の家の敷地を通らなければならず、通行権で揉めていたりする場合があります。

 

②再建築不可

接道していても、再建築不可という場合は意外と多くあります。建築基準法では接道義務といって、土地が2m以上接道していないと再建築ができず、1.5mしか接道してない等の理由で、再建築不可となるのです。

 

再建築不可では、ノンバンクで一部融資が付くケースもありますが、銀行は再建築不可物件に担保を取れないので、基本的に融資が付かないと考えてください。

 

ただし、現金で買えるのであれば話は別です。高利回りで売り出せば、現金でも次の買い手はつくので、利回り30〜40%以上で買えるなら狙い目といえます。ちなみに、再建築不可の土地に再建築する方法はあります。基礎と柱だけを残し、あとはリフォームという形で、新築そっくりに再建することが可能です。

 

しかし、そのリフォーム費用にも融資は付かない、ということに注意してください。

 

③滞納者が多い

これは交渉次第です。僕の場合、売り主から債権(滞納賃料)の譲渡契約を結んだら、追い出しを掛ける前に1件ずつ「調停」に掛けます。

 

調停とは、紛争の当事者同士が裁判所で調停委員同席の元に話し合い、合意することで紛争を解決する手続きです。

 

調停の場で滞納者に対し、毎月いくらずつ返済していくかを決めて、次に滞納したら強制退去、ということで和解します。調停で決まった内容は判決文と同等の効力があり、守られない場合は強制執行できますので、いちいち明け渡し訴訟を起こす必要がない、というメリットがあります。

 

調停は2千円程度で手軽にでき、効果絶大で実にコスパが高い解決法です。調停に呼んでも相手が来なかったらどうするのかと思われるかもしれませんが、裁判所から出頭要請がくるとインパクトがあるようで、大抵の滞納者は出てきます。

 

調停にも来ないで完全に開き直る、という最悪のケースがあれば、厄介ですが明け渡し訴訟をしています。調停はかなり便利なので、やったことがない方はぜひトライしてみてください。

 

補足ですが、借地権や再建築不可の物件は通常、融資が付きにくくなります。そこで頼りになるのがノンバンクです。ノンバンクは金利が銀行や信用金庫よりも高いので敬遠されがちですが、ステージと使い方によっては、物件購入の強い味方になってくれます。

 

ノンバンクで借りると決算書の内容が悪くなるという人がいますが、決算書が悪くなるのはノンバンクのせいではなく、おかしな物件を買ってしまったせいです。ノンバンクで融資を受けたとしても、安く買えていて保有している間、しっかり賃料を稼ぐことができ、売りに出せば確実に利益が出る物件なら、金融機関からマイナス評価されることはありません。

 

金利が高いので僕は使っていませんが、初期の頃はうまく活用するといいと思います。

最速で億を稼いだ男が明かす 不動産投資「勝者のセオリー」

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木下 たかゆき

ぱる出版

いつまでも物件を買えない人がいます。儲からない物件を買って、失敗する人がいます。空室が埋まらず、資金繰りに苦しんでいる人がいます。僕には、その人たちが、なぜうまくいかないのかが、手に取るようにわかります。本書を…

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