妥協は禁物!判断がブレない物件の「購入基準」とは?
購入物件を検討するにあたって、自分の買ってもいい「購入基準」をしっかり決めておくことが重要です。購入基準を持っていないと、買うか買わないかの判断がブレてしまいます。
例えば僕の場合、RC造の築年数と利回りによる購入基準は、次のように決めています。
●築10年以内→9%以上
●築15年以内→11%以上
●築20年以内→12%以上
●築25年以内→14%以上
●築30年以内→17%以上
●それ以外の築古→20%以上
「そんな高利回りの物件はない!」と思われた方がいるかもしれませんが、実際にこの基準で買えているのです。
2018年現在、一時のピークは超したといえ、未だに不動産は高く、買い時とはいえません。では、今は買うべきではないのかというと、僕はそう思いません。
不動産は「相対取引」なので、相場がどうであれ、売主さえ承諾すれば、相場よりも安い値段で買うことは可能だからです。
実際に、僕は相場が高値基調にあった2017年に、18棟・464室を購入しました。2018年に入っても、順調に物件を増やしています。人の何倍も行動すれば、買えるのです。
購入基準をどう決めるかですが、最初は前に示した僕の基準を参考にするのが良いと思います。ただし、初心者の方は、このままですと厳しい可能性があるので、行動しながら、自分に合った基準に微調整していってください。
そのときの注意点としては、購入基準に叶う物件が見つからないからといって、安易に基準を下げるのは禁物ということです。儲からない物件を買うくらいなら、そもそも基準を作る意味がありません。その点は十分に気をつけて、バランスをとっていきましょう。
物件を「高値掴み」しないための3つのポイント
購入基準にあてはまる物件が見つかったとしても、喜ぶのはまだ早いといえます。見た目の利回りが高い物件が、本当に利回りが高いとは限らないからです。気に入った物件が見つかったら、次はそれが本当に儲かる物件なのかを見極めなくてはいけません。
ここでは、僕が物件を高値掴みしないために、心掛けているやり方を伝授します。
①その物件を「即転売」したときに、いくらで売れるのか
第一に、即転売しても損をしないような値段で買わなくてはいけません。そのためには、前にも述べたとおり、日々のリサーチから相場勘を鍛え、物件の持つ価値を見抜くトレーニングが必要です。
②賃料の引き直しをする
長期入居で昔から住んでいる借主がいる場合、今の適正賃料の1.5〜2倍などで家賃設定されているケースがあり、実際の賃料相場とは差が開いている場合があります。きちんとレントロールを精査して、今、新規で入居が決まったときに、いくらで入居づけができるのかを見積もってください。適正な賃料で引き直した上で利回りを計算し、売値が高くないかどうかを判断することが必要です。
③登記簿謄本をチェックする
業者が即転売(再販)している物件かどうか、登記簿謄本(登記事項証明書)から確認します。登記簿をチェックすることで、物件の所有者が誰なのかがわかりますし、売主の融資額などを見ることができるので、買値を推測することもできます。
再販物件の特徴は、半年から1年ほど前に購入し、修繕後にフリーレントつきの入居づけをして、相場より少し高めの賃料をつけて貸すというパターンです。そういう物件は、販売業者が利益を大きく乗せて売っているので、購入しても基本的に儲からないと考えてください。
④耐用年数以上の高金利融資スキームに乗った物件は、買ってはいけない
これも再販物件と同じく、注意が必要です。
不動産投資向け融資に特化したいくつかの地方銀行は、年利4.5%といった高金利を前提に、耐用年数以上の期間で融資しています。この融資スキーム利用を前提に売り出されている物件は、耐用年数以上のローンを組むことで、見かけ上のCFや利回りが出るように計算されています。
そういった、返済の「元金」を減らすことでキャッシュフローを厚くしている物件は、単に利益を「先取り」しているだけなので、本当の意味で儲かる物件とはいえません。また、古い物件を持ち続けることで、様々な保有リスクも抱えることになります。
このように、色々とシビアな条件で物件を選んでいくと、「いつまでたっても物件が買えない」と思う方がいるかもしれません。
しかし、そこで諦めるのではなく、もっと行動量を増やしましょう。安く買える物件は、必ず見つかります。実際に、僕や僕の周りの人たちは買えています。