タワーマンションと収益物件、どちらが相続税対策に有効か?

前回は、余命3カ月での不動産購入が「相続税対策」に役立つ理由を解説しました。今回は、タワーマンションと収益物件のどちらのほうが節税効果が高いのかを見ていきます。

相続直前なら「タワーマンション」が効果的

Q:相続税対策タワーマンションと収益物件どちらがよい?

 

相続税対策に、タワーマンションを購入すると節税できると聞きましたが、どのようなスキームなのでしょうか。また、他の収益物件と比較した場合、相続税の節税効果はどちらが高いのでしょうか?

 

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A:個人で相続直前ならタワーマンション、法人での取得や相続まで時間がある場合は、通常の収益物件

 

タワーマンションを使った節税も有効な手段として注目されています。

 

不動産の財産評価は時価ではなく、固定資産税等の評価によります。このギャップを利用することで節税が図れるという点はまったく同じです。

 

そのギャップが大きければ大きいほど節税効果が高いのですが、タワーマンションの最上階を利用すると非常に大きなギャップが取れます。昨今は、都心部を中心にタワーマンションが林立しています。タワーマンションの特徴は、高層階ほど市場価格が高い点です。市場価格が最も高いのは、当然ながら最上階です。同じ間取り、同じ面積でも低層階と高層階では市場価格に3倍も4倍も違うケースもあるくらいです。

 

一方、固定資産税等の評価は、階数に関係なく施工単価×面積で算出されています(ただし、国税庁は階数によって評価を変えることを検討中との報道がなされています)。つまり、1階でも50階でも同じ評価なのです。

 

このギャップを利用して、時価の高いタワーマンションの最上階を取得することで財産の評価を下げることは有効な手法の一つです。

 

ただし、収益物件と異なり、タワーマンションは借り入れを利用して取得しても返済原資が確保されないという点に注意が必要です。もちろん貸せば賃料が入ってきてさらに評価も下がるのですが、利回りは通常のアパートなどの収益物件に比べて低くなるのが一般的です。加えて、タワーマンションは管理費や修繕積立金が高額であることが多いので、その点でも注意が必要になります。

相続時期や取得主体によって変化する「節税効果」

相続税対策としてタワーマンションを購入する場合、いつ相続が発生するか、また取得主体が個人か法人かによっても節税効果は大きく変わります。

 

個人で、すぐに相続が発生しそうな場合であれば、オーナーチェンジでタワーマンションを購入することで資産の評価額を下げて大きな節税メリットを得ることが可能です。極端なケースでは8割以上の評価減になるということもあり得ます。

 

法人で取得する場合は、取得後3年を経過しなければ取得時価での評価となることは前述の通りです。

 

法人で取得するケースや、相続が発生するまでの期間が長い、あるいはいつ相続が発生するか不明な場合は、タワーマンションではなく築古木造の収益物件を購入してインカムゲインを得ながら減価償却で利益を圧縮したほうが得策です。

 

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なぜなら、タワーマンションはまだ新しいものが多く、減価償却期間が長いうえに利回りが低く、修繕積立金や管理費などの固定コストも高いことが多いため、長期保有するには適さないからです。また、長期保有してしまうと、いざ相続が終わって売ろうとする頃にはタワーマンションの価格が大幅に下がっている可能性も考えられます。

 

また、タワーマンションを使った節税については、昨今話題になりすぎた面もあり、今後は国税庁が監視を強化することが予想されます。これまで通りの手法が有効でなくなる可能性も十分に考えられるので、実行する前には十分な情報収集が欠かせないでしょう。

 

 

武蔵コーポレーション株式会社 代表取締役

昭和50年 埼玉県熊谷市生まれ。東京大学経済学部卒業後、三井不動産株式会社に入社。同社にて商業施設(ショッピングセンター)やオフィ スビルの開発・運営業務に携わる。平成17年12月同社を退社し、さいたま市において有限会社武蔵コーポレーション(現在は株式会社)設立。代表取締役に就任。賃貸アパート・マンション(収益用不動産)の売買・仲介に特化した事業を開始する。

著者紹介

連載収益不動産の手残りを最大化する節税術Q&A

本連載は、2016年7月29日刊行の書籍『利益と節税効果を最大化するための収益物件活用Q&A50』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

本連載は情報の提供及び学習を主な目的としたものであり、著者独自の調査に基づいて執筆されています。実際の投資・経営(管理運営)の成功を保証するものではなく、本連載を参考にしたアパート事業は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本連載の内容に基づいて経営した結果については、著者および幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。なお、本連載に記載されているデータや法令等は、いずれも執筆当時のものであり、今後、変更されることがあります。

 

利益と節税効果を最大化するための収益物件活用Q&A50

利益と節税効果を最大化するための収益物件活用Q&A50

大谷 義武

幻冬舎メディアコンサルティング

【物件選びから融資、管理、税務、売却まで「知らなかった」ノウハウが満載! 500棟6000戸を管理し入居率98%を実現してきた不動産のプロがワンランク上の知識とテクニックを全公開】 不動産投資のノウハウに関する情報は書籍…

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