クラウド経理の導入で「経理部員の定着」が実現した事例

前回は、クラウド経理の導入により、企業の体質改善が図れた実例を紹介しました。今回は、離職率が高かった経理部員が定着したケースを見ていきます。

経理インフラを整えることで、経理手順が明確に

なお、クラウド経理を導入することによって、副次的なメリットとしてコスト削減の効果も期待できるかもしれません。具体例を挙げて説明しましょう。

 

製造会社を経営していたDさんは、経理に強い社員を雇ってもすぐに辞めてしまうことに頭を痛めていました。人材が定着しないことへの不安はもちろん、求人を繰り返すことでいたずらに採用コスト、教育コストが増えていくことも大きな悩みの種でした。

 

Dさんの会社では求人広告費をはじめ採用のための費用だけでも一度に80万円が費やされていました。社員を雇っても半年くらいで辞めてしまうため、1年間で160万円ほどの採用コストが発生していました。中小企業にとっては決して小さくない金額です。

 

「雇った社員を辞めさせないために何かよい方法はないだろうか・・・」

 

Dさんが、そんな採用の悩みを地元企業の経営者が集まる懇親会で誰ともなしに話したところ、「それなら経理をクラウド化してみたら」と勧めてくれる人がいました。

 

詳しい話を聞くと、その経営者もDさんと同様の悩みを以前に抱えていたのですが、プレジデントタイムを導入したことにより問題を解決することに成功したといいます。

 

「クラウドを利用して経理インフラを整えれば、経理の手順が明確になる。その結果、経理担当者は自分が何をすべきかをしっかりと把握できるようになるんだ」というその経営者の言葉に、Dさんははっとしました。

 

離職の原因となっていた「業務のわかりにくさ」が解消

振り返ってみると、これまで経理社員を雇っても、Dさんは自社の経理のやり方について満足に教えることもなく、すべてを丸投げにしていました。何も分からないまま、仕事を進めなければならないことが社員にとってはストレスとなり、離職の大きな原因になっていたのです。

 

「本来であれば、わが社の経理のやり方を一から教えるべきだったのだ。しかし、忙しくてそんな時間はとてもなかった・・・。クラウド経理で業務をマニュアル化できれば、今までの状況を変えられるかもしれない」

 

Dさんのそうした期待は、実際、現実のものとなりました。新たに経理社員として採用したEさんは慣れない職場で経理業務を行うことに当初不安を抱いていた様子でしたが、導入したクラウド経理の使い方を説明したところ、「これは分かりやすい! どのように作業を進めていけばよいのかすんなりと理解できますね」と笑顔を見せました。その後、Eさんはプレジデントタイムの仕組みにしたがって、もう1年以上、何の問題もなく経理業務をこなしています。もちろん辞めるような気配はまったくありません。

 

Dさんは、「良かった。これでもう経理社員を探さないですむ。採用のために余計なお金をかけなくてもよいのだ!」と、クラウド経理の想像していた以上の効果に大満足しているところです。

 

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連載自社の会計処理を効率化する「プレジデントタイム」の導入成功例

社長の時間をつくる株式会社 代表取締役 公認会計士
経営コンサルタント

1974年生まれ。東京都出身。慶應義塾大学経済学部を卒業後、監査法人トーマツを経て、2001年に神宮前会計、2013年に神宮前アカウンティングファーム、2014年に社長の時間をつくる株式会社を設立して代表取締役に就任。公認会計士・経営コンサルタントとして培ったマクロの視点と、自らが経営する不動産会社・飲食店の社長業で得たミクロの視点で、数多くの企業をサポートしている。

著者紹介

社長の時間をつくる株式会社 代表取締役 公認会計士
税理士

1976年生まれ。千葉県出身。慶應義塾大学経済学部卒。在学中に会計士試験に合格後、監査法人トーマツへ入所。2003年から2005年にはDeloitte NY事務所に出向。2007年、シティグループ証券投資銀行本部に転職し、国内外のM&AやIPO・株式増資案件を手掛ける。2014年、社長の時間をつくる株式会社を設立して代表取締役に就任。孤独で忙しい社長を幸せにすべく、新しい仕組みの構築・運営に奮闘中。

著者紹介

忙しい社長を救う 経理改革の教科書

忙しい社長を救う 経理改革の教科書

李 日生,普川 真如

幻冬舎メディアコンサルティング

公認会計士として大手監査法人に勤め、国内外の多数の大企業の監査業務を担当してきた著者たち。経理・会計の専門家としての立場から中小企業の経営をサポートし続けてきました。こうした経験の中で、中小企業は経理部を社内に…

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