当たり前に毎日現れる孫たち。最初はうれしかったが…
松尾義男さん(仮名・76歳)は、妻の和美さんとの二人暮らし。60歳で仕事を定年した後は5年ほど介護施設で送迎のアルバイトをして、65歳からは夫婦で完全リタイアの生活を送っていました。
穏やかな夫婦の生活に変化が訪れたのは70歳を過ぎたとき。娘の真紀子さん(仮名)一家4人が徒歩5分ほどの距離に引越してきたのです。
真紀子さんは小学生の子どもが2人いるママ。どちらも男の子です。夫婦で共働きの真紀子さんは、仕事と子育ての両立に悩んでいました。そして、松尾さんたちにこう訴えたのです。
「夫も私もこの子たちのために働かなきゃいけないけど、あまりに大変で。お父さんとお母さんも、私たちがそばにいたら何かと安心でしょう? 助け合いながらやっていけないかな」
確かに娘の悩みもわかります。それに、松尾さん夫婦にとって孫たちはこの上なくかわいい存在でした。近くに来てくれるなんて願ったり叶ったり。最初はそう思っていたのですが……。
実際引っ越してくると、状況は一転します。孫は毎日、学校が終わると自宅ではなく松尾さんの家に帰宅。残業などで帰宅が遅くなりがちな真紀子さん夫婦に代わり、夕飯の準備や習い事への送迎も松尾さん夫婦がすることが多くなりました。
最初は「ごめんね、毎日面倒見てもらっちゃって」と言っていた真紀子さんも、すっかり頼るのが当たり前に。孫は「今日のご飯なに~?」と松尾さんの妻に普通に聞いてきます。
そのまま孫たちが家に泊まっていくことも多くなり、いつしか松尾さん夫婦がメインで子育てをしているような状態になっていました。
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