堅実な利益はあるものの、資金繰りに悩んでいたC社
C社は広告コンサルティング業を営んでいます。従業員は3名、年商はここ数年、おおむね6000万円~8000万円の範囲内を行き来しています。
創業してから15年、C社は堅実に相応の利益を上げ続けていたものの、予期していなかった突然の出費のために資金繰りが苦しくなることも幾度かありました。経営者のCさんは、そのたびに、個人資産として保有していた上場株式を売却して現金化したり、貯金を取り崩すなどしてどうにかしのいできました。
元来、Cさんは「税金を納めて会社を回していければそれで満足」という欲のないタイプの経営者で、細かな会社の数字はあまり気にしていませんでした。しかし、その場しのぎの金策を繰り返すなかで、Cさんは「今のままでは、いつか行き詰まることになるかもしれない」と次第に危機感を覚えるようになりました。
この先、会社が資金難に陥らないようにするためには、安定した経営を行っていくためには、経営者としていったい何をすればよいのか──と頭を悩ませていたCさんに対して、古くからの知人が「これを試してみたらどう? きっと経営が大きく変わるよ」とプレジデントタイムを紹介しました。
ITに対する苦手意識もあったことから、当初、Cさんは「クラウド? 本当に、そんなもので今の状態を変えられるのだろうか」と半信半疑でしたが、知人の熱心な勧めに根負けして導入を決めました。
プレジデントタイムの導入後、Cさんの「会社の数字」を見る姿勢と経営に対する意識は大きく変わっていきました。
それまでは、売上や利益をチェックするのはせいぜい年に一度、決算の時ぐらいでした。しかし、プレジデントタイムでは、売上や営業利益の数字とその目標値などがダッシュボードに日々表示されるので、それらが自然と目に飛び込んできます。
また、「○月○日には○○円の消費税の支払いがある」などというように支払いアラートも表示されるので、資金の手当てを早め早めに行うことも心がけるようになりました。それに伴い、「支出そのものもできるだけ減らそう」という気持ちも生まれ、「2回行っていた出張を1回に減らす」など節約の習慣も身に付いていきました。
経営管理の改善から、新事業の取り組みのきっかけへ
このように「会社の数字」を常にチェックして、「売上と利益を増やすためには何をしたらよいのか」「支出を減らすためには何をすべきか」を強く意識するようになった結果、C社の業績は急速に向上しました。プレジデントタイムで経営管理をスタートしてから1年後の同社の決算では、なんと前年比1.5倍の過去最高の営業利益を計上することに成功したのです。
利益が増大し資金繰りに頭を悩ませる必要がなくなったCさんには、時間の余裕も生まれました。そこで、その時間を使って銀行に提出する事業計画書をまとめることに──。「勢いに乗っている今がチャンス。事業を一気に拡大しよう。そのためには銀行から資金を借りなければ」と考えたのです。
Cさんは過去にも金融機関に融資を依頼したことがありましたが、その時にはまったく相手にしてもらえませんでした。
ところが、今度はCさんが驚くほどあっけなく融資がおりたのです(しかも申請した金額から1円も引かれることなく無担保で!)。プレジデントタイムに収められている会計データを駆使して説得力のある事業計画書を作成できたことが、融資を勝ち得た大きな要因でした。
今、Cさんはその資金を元に新たな事業に取り組み始めているところです。