「POSシステム」の連携により、売上処理がスムーズに
前回の続きです。
このように、経営者であるAさんの貴重な時間は、その多くが経理作業だけのためわれていたのです。では、プレジデントタイムを利用し始めてから、右のような状況はどのように変化したのでしょうか。”ビフォー”に続いて”アフター”を確認していきましょう。
①売上処理
売上金を確認するために店舗に足を運ぶ必要はなくなりました。会計システムと連携しているPOSシステムによって、レジを閉めると売上金が自動的に計上され、クラウド上で確認できるようになったからです。
また、インターネットバンキングを導入した結果、売上金の入金も店長に任せられるようになりました。インターネットバンキングで入金された額を、POSシステム上の売上データと比較照合することで、正しく入金が行われているかどうかをチェックすることが可能になったためです。
②取引先に対する支払い
インターネットバンキングの活用により支払い手続きを自動化することで、Aさんの作業負担は大きく軽減されることになりました。具体的には、ワークフローシステム(クエステトラ)を通じて、社員から支払いの承認申請が寄せられます。支払先である取引相手の請求書をPDF化したものや請求金額をまとめた表がクラウド上にアップされているので、それらのデータと支払い金額を照合して間違いがないかをAさんが確認し承認すれば、あとはインターネットバンキングで支払われる仕組みとなっています。
経理作業に費やす時間が、20分の1にまで減少
③給与処理
給与計算については、その大半を給与システムが従業員の勤怠データを基に自動的に行うので、作業時間が大幅に短縮しました。また、給与の支払いについても、取引先に対する支払いと同様にインターネットバンキングで行うようになったため、基本的には社員に任せています。
④記帳作業
クラウド化をきっかけに外部にアウトソーシングすることにしたため、Aさん自らが行う必要はなくなりました。
このように、プレジデントタイムを導入した結果、Aさんの経理作業に費やす時間は1カ月で1~2時間程度になりました。なんと、およそ20分の1にまで減少したのです。
なお、A社には経理担当の社員が一人在籍していますが、その社員は現在、A社のオフィスのある都心から遠く離れた場所、新幹線で通勤しても2時間近くかかるような地方に住んでいます。それでも経理の作業はクラウドを通じて問題なくこなしています。このように、たとえ社員がオフィスに通えない状況となっても、クラウド経理を利用すれば自宅で作業を続けてもらうことが可能となり、退職リスク(新たな採用と教育等に要する時間やコストなど)も軽減することが期待できるのです。