リハーサルでは「ロジ周り」もしっかり確認
①当日の進行やロジ周りの共有
講師が決まり、研修の意図の共有ができたら、開催に向けてのリハーサルや準備をしていくことになります。余裕を持って開催できればベストですが、たいていの場合早くても1週間前など直前になってしまうことが多いようです。
リハーサルは、トレーナーとともに、コンテンツ内容や進行やロジ周り(研修開催にあたっての会場・備品・その他の調整)などを確認します。
全国に拠点がある場合は、WEBなどを通して各地のトレーナーに意図を伝えてコミュニケーションをはかるケースもあります。この場合、主催者がワンウェイで概要を伝えると、うまく伝わらず、トレーナーが勝手に進めてしまい、期待した成果が出ないということも起こりかねません。
トレーナーに意図が伝わるように質問を受けるなどインタラクティブにしたり、トレーナー用の虎の巻を作ったりといった工夫も必要です。
進行スライドの「タイムスケジュール」は細かく設定
②ファシリテーターとしての準備
リハーサルは、実際の進行スライドを確認しながら進めていきます。進行に関する情報がすべて入っている進行スライドは、当日ナビゲーションをしてくれる存在。
「このワークに時間を取る」や「ここでは休憩を入れる」などのタイムスケジュールに加え、どういうファシリテーションをして、どういうフォローをして、参加者がどういう気持ちになるか、までをもシミュレーションした上でブラッシュアップしていくとよいでしょう。
また、時間が足りなくなってしまった場合を想定し、どこを省くかといったシミュレーションもしておきましょう。
私が講師をする場合は、進行スライドを16分割で印刷してイメージトレーニングをするようにしています。16分割にすると、全体を俯瞰して見ることができ、流れの確認ができるのでオススメです。さらに、お伝えする「キーワード」を忘れないようにメモをしています。
③ハンドアウト(配布資料)の準備
ハンドアウトの準備についても注意が必要です。よく、進行スライドをそのまま印刷して配布している研修がありますが、進行スライドはあくまで進行をするためのツールであり、学ぶためのツールであるハンドアウトの代わりにはなりません。
インプット中心の研修であれば、進行スライドを印刷して配布するということもあるかもしれませんが、その場合であってもインプット内容のスライドに限定し、進行に関するスライドは除いた方が良いでしょう。
ハンドアウトについて考える時は、まず、参加者に「持ち帰って欲しいもの」を明確にする必要があります。例えば、概念化した考え方に基づいた自分のアクションプランを持ち帰って欲しいのであれば、アクションプランを記載したワークシートをハンドアウトとし、極力その他の資料は増やさないようにします。
これは、ミクロデザインの設計の話でもあるのですが、持ち帰って欲しいエッセンスに参加者が集中できるように、インプット内容、ワークショップの進行、そしてハンドアウトにもこだわらなくてはなりません。
このように入念に準備を行うことで、より精度の高いパッケージになっていきます。特に、はじめてのコンテンツで研修を行う際は、準備に時間をかけるようにしてください。