前回に引き続き、研修の成果を左右する「優秀な講師」を選ぶポイントを見ていきましょう。今回は、講師に求められる「柔軟性」について説明します。

企業の要望に合わせて研修内容を変更できる講師を選ぶ

【ポイント2】

パッケージの研修を柔軟性を持ってカスタマイズしてくれるか

 

講師に必要なことは、柔軟性があるかどうかです。特に社外講師は、たいてい自分の研修の型(パッケージ)を持っていますが、各企業・組織に落とし込むためには、絶対にカスタマイズが必要です。

 

目指しているのは、参加者の満足度だけではなく、行動を変えるパフォーマンスゴールです。パフォーマンスゴールは、それぞれの組織で違うはずなので、当然のことながらゴールを達成するための研修の内容も変わってしかるべきなのです。

 

そうしたことを理解して、企業側の要望を深く聞き込み、効果を最大化することに協力的かつ企業の目線で提案できる講師を選ぶ必要があります。自分のパッケージをそのままインストールさせるような研修では、参加者に電流は流れません。これは、社内講師であっても同じことです。

 

社外講師と打ち合わせをする際は、方針・コンセプト・ロードマップ・ミクロデザインの全体を説明しましょう。ミクロデザインは外部講師に書いてもらう必要があります。本当に理解しているか、研修効果を最大化するために柔軟に対応してくれるかをチェックしてください。

 

研修内容の領域の専門性も重要ですが、こちらが話したことを理解した上で対応してくれるか、返答の言葉がしっくりくるか、研修設計や実施の際に臨機応変に対応できるか、などの方が重要です。コミュニケーションを取りながら、一緒にパフォーマンスゴールを目指せる同志かどうかを見極めましょう。

自社にはない知見を伝えてくれる「社外講師」

多くの人材教育担当者は、大手研修関連会社に相談をする、WEBで検索をする、知り合いに紹介してもらうといった方法で外部講師を探すことが多いようです。講師の方がオープン講座を開催しているようであれば参加して、見極めてみるのも有効な方法です。

 

社外講師を選ぶ際のチェックリスト(以下の図表)もご活用ください。

 

[図表1]社外講師を選ぶ際のチェックリスト

 

社外講師、社内講師のメリット・デメリットを踏まえて、依頼をしましょう。社外講師には、自社にはない知見を伝えてくれるので気づきが大きかったりサービスとして報告書をきちんとまとめてくれたりするといったメリットがあります。

 

一方で、招聘するのにコストがかかるのはもちろん、講師の実態が見えなかったり打ち合わせ時間の調整が難しかったりするデメリットもあります。

 

IDerは、社外講師であっても社内講師であっても、「この研修で大事にすること(意図)」・「持ち帰って欲しいもの(おみやげ)」・「出口(研修でのゴール)」についてのコンセンサスが取れるように密なコミュニケーションを取ることを心がけてください。

 

[図表2]社外講師のメリット・デメリット

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