平成30年税制改正大綱によると、自営業やフリーランスに対する所得税が減税される一方で、高所得者に対する所得税額を引き上げることが決定 しました。高所得者が多い医師は増税となる可能性が高いため、資産防衛に関する知識は重要であると言えるでしょう。医師が資産を形成していくためにはどのような対策があるのでしょうか。
■医師の資産防衛はなぜ注目されているか
日本の所得に対する税金は、所得の金額が大きくなるほど税率も高くなる超過累進課税となっています。税率は、5%から最大で45%となっており、所得の額によって7段階 の税率に分かれています。厚生労働省が公表している「第20回医療経済実態調査医療機関等調査」によると、医療法人における医師の年収は約1,544万円 となっています。この金額で所得税率を算出する場合、7段階の中の「900万円を超え1,800万円以下」に該当するため、税率は33% となります。
医師は数ある職業の中でも所得が多いため、そのぶん税金が高くなると言えます。開業医の場合は、事業に関連する経費については所得控除が認められることもあります。さらに、所得を増やすという観点からは、仕事に打ち込んだ分だけ収入に反映できるという特徴があります。勤務医の場合は、開業医のような経費計上による節税対策をとることはできません。このような背景からも、特に勤務医の節税対策、すなわち資産防衛が注目されていると言えるでしょう。
■医師ができる節税対策とは
医師がもらう給料は給与所得になるため、サラリーマンと同様に給与所得控除を受けることができます。しかし、給与等の収入金額が1,000万円超の場合は一律で220万円 の控除額となります。医師の平均年収が約1,500万円であることを考えると、給与所得控除の恩恵を受けにくい状況であると言えるでしょう。したがって、他の控除制度を活用しながら節税に結びつけることを検討すると良いかもしれません。
例えば、特定支出控除の制度を活用すると控除額を増やすことができます。特定支出とは、通勤費、転居費、研修費や資格取得費などが挙げられ、この金額が「その年中の給与所得控除額×1/2」を超えた場合、確定申告によって超えた部分の金額を給与所得の控除後に、所得金額の方から差し引くことができます。また、医療費控除、生命保険控除、地震保険控除、住宅ローン控除なども活用すると、さらなる節税対策につなげることができるでしょう。
■不動産投資は資産形成にもなる
マンションやアパートの保有によって家賃収入を得る不動産投資を行うことで、節税に結びつけることが可能です。不動産投資にかかる収入は不動産所得に分類され、赤字の場合は給与所得と損益通算することができます。不動産投資を行う中で発生した費用、例えば、不動産購入時の仲介手数料や減価償却費、修繕費などを必要経費として計上することで、所得を圧縮し、結果として節税につなげられるでしょう。
また、不動産投資は家賃収入を得られるというメリットの他にも、ローンを支払い終わった後には不労所得としての資産となります。さらに、相続時には現金をそのまま相続するよりも評価額が低くなるため、相続税の節税にもなります。不動産投資は、ライフイベントのタイミングによって節税や資産形成に役立てることができます。
■不動産投資以外の資産形成の方法とは
収入が多いほど、資産運用に振り向けられる余剰資金が多い傾向にあると言えます。グローバル化が進む中、日本だけに資産を偏らせるのではなく、一部の資産を海外口座に移管するなどの対策も資産形成の方法として有効であると言えるでしょう。
また、株式投資によって資産を育てるという考え方もあります。昨今、世界的な株高を受けて、日経平均株価は、バブル崩壊以来の2万3,000円 を超える場面もあるなど、市場も活況となっています。日本の銀行預金は、金利が1%を切る状態が長く続いているため、金利の高い外貨に投資することも資産形成の一助となるでしょう。
現金だけで保有するのではなく、あらゆる資産に振り分けておくことでリスクを分散でき、さらに資産を増やせる可能性があると言えるでしょう。しかし、元本が割れてしまうリスクもあるため、充分に検討してから行うようにしましょう。
節税や資産運用をすることで、資産防衛をすることができます。日本を取り巻く環境は常に変化をしているため、税制や控除を受けられる制度を理解して、資産形成をするようにしましょう。
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