前回は、不動産ポータルサイトでの情報のみで、不動産を購入することの危険性を説明しました。今回は、では、不動産購入を決断するときには、実際どんな基準で判断すべきかを見ていきます。

地域の人口動態や産業構造から「入居率」の維持を確認

不動産ポータルサイトの情報は、すべての情報が間違っているわけではありません。むしろ正確なものがほとんどでしょう。では、いざサイトで希望通りの物件を見つけたとき、それを買うべきかどうか、どのような基準で判断すべきでしょうか。

 

まず、その地域の人口動態や産業構造などから「どれだけ高い入居率を維持できるか」を調べる必要があります。これらはインターネットで検索したり、その地域の役所の土木課、建築課などに問い合わせたりすれば分かります。さらに、その地域の不動産会社へ行き、周辺の入居率を聞いて回るのも有効です。

 

現地を訪れるなら周辺の環境もチェックしましょう。商業施設や病院など生活に不可欠な施設はあるか、単身向けならコンビニへの距離、ファミリー向けなら学校への道のりなどを確認します。学校への道のりは、距離だけでなく車の往来がどれくらいあるのかといった、交通量も注意して見るようにしましょう。その他、葬儀場やお墓などいわゆる嫌悪施設が近くにないかも重要です。

 

このような周辺環境のチェックは、実際に住む人の気持ちになることが大切です。自分でも「これは住みやすい街だ」と思えれば合格でしょう。

 

構造的な傷みがないかを「現場」でチェック

次に、物件そのもののチェックポイントとしては、まず外観です。見た瞬間にくたびれた印象を持つようであれば、相場よりもよほど家賃を下げるか、リフォームをしないと満室は望めません。また、あまりに奇抜なデザインも入居者が限定されるので、避けたほうが無難です。

 

さらに基礎にヒビが入っていないか、建物の中に入ったときに傾きを感じないか、湿気はないか、などをチェックします。傾きに関しては水平器やスマートフォンのアプリで測れますし、室内のドアや窓を開閉したときの引っかかりの有無でも確認できます。湿気を感じるようなら雨漏りや水漏れのおそれがあります。

 

内装のきれいさやデザインは比較的安価に改善できますが、構造的な傷みは多額の費用を要しますので、ここは入念にチェックしたいところです。

 

結局、物件購入の決断の際には、実際に現場に行き、見聞きすることで得られる生の情報が必要となります。ですから、サイトの情報はあくまで相場感をつかむ程度ととらえていたほうが無難です。

 

 

本連載は、2016年4月27日刊行の書籍『資産家ドクター、貧困ドクター』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

資産家ドクター、貧困ドクター

資産家ドクター、貧困ドクター

大山 一也

幻冬舎メディアコンサルティング

いまや「医師=超富裕層」とは限らない時代。自分の資産は自分で守り、増やすことが当たり前になってきました。しかし、多忙な医師にはそんな時間を作ることさえ難しいのが実状です。 そこで本書は「手間をかけずに確実に儲か…

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