前回は、不動産投資における「損切り」の概要とメリットについて解説しました。今回は、地方の大規模物件を購入した、不動産投資の失敗事例を見ていきます。

大規模物件は安い金利で融資を引くことも可能だが・・・

[失敗事例]買い手のつかない大規模物件

 

2年前、仙台で50室のファミリータイプのRC造マンションを3億円で購入しました。大規模物件の遠隔管理が大変なので、築年数が残っているうちに売却をしたいです。購入のタイミングは悪くなく、決して高値づかみはしていません。相場の利回りでいえば、同じ3億円でも十分売れるのではないかと思っていました。ところが3億円という金額が大きいため、買い手の融資が通らないのです。これが東京であれば取り組める金融機関も複数行あるようですが、地方では難しいという話です。

 

大規模物件は金融機関も乗り気になりやすく、物件によりますが安い金利で融資を引くことも可能です。基本的に数億円クラスにもなれば、都内であってもライバルが少なくなります。これが7000万円、8000万円といった1億円を切るレベルではライバルが多いものです。すなわち高い物件ほどライバルが少なくなり、より良い物件が手に入りやすくなります。

 

逆にいえば、次に買える人が限定されるだけに、出口の時点で少し値段を落とさなければならないのです。運営が危うくなってきた物件の買い替えを検討したとき、「次の買い手がいない」というのは致命的なリスクです。

購入者が限られる地方の高額物件

この失敗事例では、地方ということがより失敗を大きくしています。都内であれば、ある程度の高額物件であっても、購入したい投資家がいるでしょうし、取り組める金融機関も複数あるかと思います。


それが地方となれば「買いたい」という希望があっても融資がネックとなり、購入できるのは地元の投資家、資産家くらいになります。その地域をよく知る投資家であれば、買い叩いてくる可能性も高いでしょう。

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    本連載は、2016年10月11日刊行の書籍『失敗例から学ぶ 儲かる不動産投資の極意』から抜粋したものです。稀にその後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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    平山 智浩・渡辺 章好

    幻冬舎メディアコンサルティング

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