前回は、収益物件の売却を依頼する業者の選び方について取り上げました。今回は、不動産の購入時に設定する「ゴール」の重要性について見ていきます。

購入不動産の「売却の目的」までしっかり設定

「自分の中で売却の目的がはっきりしていない」。これは売却時のリスクとなります。売却の目的とは「ただ、早く売れてほしい、すぐにでも現金化したい」というパターンもあれば「とりあえず、いくらで売れるか様子を見る」というケースもあります。

 

不動産投資を始めるときには、必ずゴールを設定するものです。同じように売却の目的もはっきり決めておきましょう。そして、買うときにはある程度、「どのような出口をとるのか」を考えておきましょう。購入時に出口を検討することで、売却することができる物件を買うことができます。

 

もちろん、買ってからも常に市況や、金融情勢は変わってきます。もしかしたら自分が会社を辞めることもあるかもしれません。そういったすべての出来事に対して、できる限り対応できるよう準備しておきます。

 

選択肢は無数にあるわけですから、それを選び取っていける情報を得ることが重要です。そのためにも売却を依頼する業者は、必ず複数の選択肢が提示できるプロでなければいけません。

市場の変化に備え、複数の選択肢を用意しておく

経営判断が一つしかないというのは、ありえません。何の事業でもそうですが、私たちの経営する会社でも、買取再販もやれば、売買仲介もやりますし、賃貸管理もやっています。時代によっては、賃貸管理に力を入れるべきときもあるし、買取再販に力を入れないといけないときもあります。何に力を入れるのかは、市況であったり、金融情勢であったり、弊社の体力だったりで決まるものです。それから、社員の陣容でも変わってきます。それらは常にみんなで判断しながらやっています。

 

これは賃貸経営でも同じことです。繰り返しになりますが、時代も金融情勢も動くし、市況も動きます。自分の情勢も、自分のライフステージも常に変わります。年を取れば、周りの親族の状況も変わってきます。常に動いているもので、止まっているものは何ひとつありません。良い点と良い点を結んで、より確実な太い線になるような経営判断をしていかないといけません。

 

特に出口では、みんな思考停止になりがちです。儲かるか儲からないか、そこしか考えられなくなります。それは失敗への入り口です。

 

◆出口の種類

●オーナーチェンジ(賃借人付き)での売却

●問題改善や修繕、リフォームなどで資本改善を行いバリューアップしてからの売却

●更地にして売却

●新築に建て替えて売却

本連載は、2016年10月11日刊行の書籍『失敗例から学ぶ 儲かる不動産投資の極意』から抜粋したものです。稀にその後の税制改正等、最新の内容には一部対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

失敗例から学ぶ 儲かる不動産投資の極意

失敗例から学ぶ 儲かる不動産投資の極意

平山 智浩・渡辺 章好

幻冬舎メディアコンサルティング

物件の周辺環境の変化、急な修繕、家賃滞納など数々のリスクが潜む不動産投資において、事前にそのリアルな失敗パターンを知ることが不可欠です。多くの個人投資家にコンサルティングを行い、それぞれに合った不動産投資の方法…

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