前回は、世界基準の接客サービスを目指すための「挨拶」の仕方を説明しました。今回は、格段にお客様の印象をよくする「名前」をプラスした声かけについて見ていきます。

挨拶もなしに、「How many persons?」は避ける

相手の存在を認識していることを示す強力な武器は「名前」です。

 

ホテルや旅館にお客様をお迎えする場合、Hello/Good morning,Mr.Davis/Ms.Davis.「いらっしゃいませ、デイビス様」と言えればほぼ完璧です。同じ日に到着されるお客様は何名も何十名もいらっしゃいますが、ホテルであれば、次の流れでお客様を名前でお呼びすることが多いでしょう。

 

●ベルボーイなどのスタッフがお客様の荷物のタグを見て名前を確認

→インカムでフロントに連絡

→フロントスタッフがお客様を名前でお呼びする

 

これは、スタッフのチームプレイがあればこそ実現する「わざ」です。ようやく到着した異国のフロントや受付で自分の名前を呼びかけてもらえば、長旅の疲れも吹き飛ぶに違いありません。

 

レストランも同じです。入って来たお客様にHello./Good evening.「こんにちは」「こんばんは」などの声かけなしに、いきなりHow many persons?「何名様ですか?」は避けたいものです。

 

お客様の名前をプラスするのは、なにも初めてのお客様に限りません。すでに同じホテルに3連泊されているお客様がいらっしゃるとします。それなのに、フロントスタッフがGood morning./Good afternoon./Good evening./Good night.「おはようございます」「こんにちは」「こんばんは」「おやすみなさい」だけしか言わないとしたら、「それだけ?」とお客様はきっと物足りなさを感じるはずです。

 

「私の印象は薄いのかしら? 私の名前は覚えてもらってないのかもしれない」。せっかく宿泊してくださっているお客様にそのような気持ちをもたせてしまったとしたら、やはりサービススタッフとして合格点はあげられません。

 

Hello,Ms.Green.こんにちは、グリーン様。

Good morning,Mr.Stevenson.おはようございます、スティーブンソン様。

Good afternoon,Ms.Martin.こんにちは、マーティン様。

Good evening,Mr.Bolton.こんばんは、ボルトン様。

Good night,Ms.Stanley.おやすみなさい、スタンレー様。

 

このように挨拶に相手の名前をプラスすることで「私はあなたの存在を認識しています」ということを明確に表すことができます。

「名前までがワンフレーズ」という認識が重要

では認識されていることと認識されないことは、お客様にとってどこが違うのでしょうか。

 

こちらがお客様を認識していることを知らせることによって、お客様は自分が相手に気づいてもらっている、そして大切に扱われているという思いを強くし、喜んでくださることになります。「挨拶」に「相手の名前」をプラスするだけで、印象はガラリと変わるものです。名前を呼びかけるタイミングの癖付けをすることが習慣となり、自然な実行につながっていきます。

 

レストランでは、予約のお客様は必ずスタッフに自分の名前を告げます。その名前を単なるBGMのように聞き流すことなく、しっかり頭の中に入れておきましょう。

 

May I help you,Mr./Ms.○○?

 

このように名前までがひとセット、ワンフレーズであることをしっかり認識しておくことが、お客様と直接接するスタッフには必要です。

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