前回は、PoWとPoSのハイブリッド方式を導入した「ピアコイン」の概要を解説しました。今回は、柴犬マークがユニークな「ドージコイン」の特徴を見ていきます。

「柴犬と暗号通貨」を組み合わせる!?

ドージコイン(Dogecoin)は、米国オレゴン州ポートランド出身のビリー・マークス(BillyMarkus)氏によって開発されました。柴犬のマークが特徴のドージコインですが、なぜ柴犬をモチーフにすることになったのでしょうか。

 

それは、シドニーのアドビシステムズのマーケティング部門にいたジャクソン・パーマー(JacksonPalmer)氏が、2013年に海外のネット(4chanが発端)で大流行した「Doge」と呼ばれる柴犬と暗号通貨を組み合わせるというアイデアに由来しています。

 

パーマー氏はその後「Dogecoin.com」というサイトを作成し、このアイデアについてツイッターでツイートをしたところ、偶然そのサイトを見たマークス氏が、パーマー氏に、開発者として協力させてほしいとリプライを送りました。その後、二者は正式にパートナーシップを結び、2013年12月にリリースされるに至りました。

 

ちなみにこの「Doge」という単語の発音は海外でも議論が分かれており、「ドージ」、「ドーズ」、「ドッグ」、「ドーグ」、「ドギー」など様々な読み方をする人がいます。

 

ライトコインよりもさらに短い「承認時間」

ドージコインは、プロジェクト開始当時に既に存在していた暗号通貨であるラッキーコイン(Luckycoin)をもとに開発されました。ラッキーコインというのは、ライトコインをもとに開発された暗号通貨で、マイニング時の報酬がランダムで決定するという特徴がありました。そのため、ドージコインもマイニング時の報酬が0〜100万の間でランダムに決定されていました(2015年5月のアップデートで固定報酬に変更されています)。

 

ライトコインの特徴も受け継いでおり、暗号化方式はScryptを採用しています。ライトコインからの変更点としては、承認時間は約1分とライトコインよりもさらに短く設定されており、発行量の上限もありません。

 

また、ネットワークを支えるマイナーが、暗号化方式が共通しているライトコインと同時にマイニングできるマージマイニング(mergedmining)を導入するなど、開発チームによって改良がなされています。

 

【基本情報】

名称:Dogecoin

呼び方:ドージコイン

コード:DOGE

開発者/開発組織:BillyMarkus

暗号化方式:Scrypt

コンセンサスアルゴリズム:ProofofWork

承認目安時間:約1分

上限発行量:上限なし(984億3750万採掘後、毎年52億増加)

本連載は、2016年11月24日刊行の書籍『一冊でまるわかり 暗号通貨 2016~2017』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

一冊でまるわかり 暗号通貨2016~2017

一冊でまるわかり 暗号通貨2016~2017

森川 夢佑斗

幻冬舎メディアコンサルティング

電気代を暗号通貨で支払えるようになる――こんなニュースが伝えられるなど、「暗号通貨経済」の到来が間近になっている。本書は「ビットコイン」をはじめとする暗号通貨やそれを支えるブロックチェーンについて、興味を持って…

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