前回は、PoWに代わるコンセンサス方式とも言われている「プルーフ・オブ・コンセンサス」の概要を説明しました。今回は、リップル似の分散型台帳ネットワーク「ステラ」の概要について見ていきます。

リップルの取引の不備を補う独自のプロトコル

ステラ(Stellar)とリップルは、ほかの暗号通貨とは性質が異なります。

 

ステラは、2014年にリリースされたグローバルな決済のための分散型台帳ネットワークです。リップルの開発メンバーであったジェド・マケーレブ(Jed McCaleb)氏が中心になって、リップルの開発ソースコードをもとに開発されました。

 

ステラは、リップルと同様にゲートウェイとなる企業や個人が発行するCredit(クレジット。リップルにおけるIOUに当たるもの)をステラネットワーク内でやり取りすることが可能です。

 

また、ステラの運営は非営利団体のStellar Development Foundation(ステラ・ディベロップメント・ファウンデーション)により行われています。リリース当初は、リップルの技術をもとに実装されていたため、基本的な仕組みは同じでした。しかし、既存のリップルの取引の合意形成方式に不備を発見し、新たに独自の「ステラ・コンセンサス・プロトコル」を実装しました。

ステラネットワークに必要な通貨「XLM(ルーメン)」

ステラには、ステラの分散型台帳ネットワークであるステラネットワークの利用に必要な通貨としてXLM(ルーメン)が用意されています。

 

これもリップルと同様、初期に1000億が配布されました。しかし、リップルとは異なり、発行量の大半をステラネットワークの利用ユーザーに配布しました。

 

そして初期の配布後は、毎年1%の固定比率で新規ルーメンが発行されています。リップルのUNLにあたる取引の承認者リストは「QuorumSlices」と呼ばれています。

 

[XLM(ルーメン)とは]

初期はSTR(Stellar)と呼ばれていましたが、2015年にXLM(ルーメン)へと改名されました。

 

【基本情報】

名称:Stellar

呼び方:ステラ

コード:XLM(ルーメン)

開発者/開発組織:Stellar Development Foundation

コンセンサスアルゴリズム:Stellar Consensus Protocol

承認目安時間:即時

上限発行量:初期1兆。その後、年率1%増加

 

本連載は、2016年11月24日刊行の書籍『一冊でまるわかり 暗号通貨 2016~2017』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

一冊でまるわかり 暗号通貨2016~2017

一冊でまるわかり 暗号通貨2016~2017

森川 夢佑斗

幻冬舎メディアコンサルティング

電気代を暗号通貨で支払えるようになる――こんなニュースが伝えられるなど、「暗号通貨経済」の到来が間近になっている。本書は「ビットコイン」をはじめとする暗号通貨やそれを支えるブロックチェーンについて、興味を持って…

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