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食料品の消費税減税法案が閣議決定
2026年10月9日、食料品の消費税減税と新たな支援金制度を盛り込んだ法案が閣議決定されました。法案の名称は「租税及び社会保険料による負担軽減のための飲食料品に係る消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の支給に関する法律」(以下「改正法案」といいます)です。
全39条で構成され、第1章「総則」、第2章「飲食料品の消費税率引下げ」、第3章「就業者負担軽減支援金の支給」、第4章「検討等」の4章から成ります。
第2章と第3章については、今後、政省令や通達が発出されることで、より詳細な内容が明らかになるものと思われます。
一方、第4章の「検討等」には、改正法案の実施に向けて今後解決すべき課題が盛り込まれています。法案の作成段階では具体的な内容を明確に示すことが難しいものの、制度を実施するうえで検討が必要となる、いわば「宿題」に当たる事項です。
具体的には、次の4項目です。
① 就業者負担軽減支援金に係る検討等(第36条・全9項)
② 国等による情報システムの整備等(第37条)
③ 国による子ども・子育て支援の推進(第38条)
④ 財源の確保(第39条)
このうち、①の就業者負担軽減支援金に係る検討等は、2029年度に導入が予定されている給付付き税額控除の予行演習という位置付けになります。そのため、第36条では全9項にわたり、詳細な検討事項が規定されています。
給付付き税額控除を見据えた支援金制度の検討
第36条第1項では、支援金の対象となる所得の把握方法について規定しています。
2026年5月に成立した医療保険制度改正法では、後期高齢者医療制度において、申告されていない上場株式の配当等についても、金融機関から提出される法定調書を考慮する仕組みが盛り込まれました。支援金についても、同様の措置を講じることとしています。一方、源泉分離課税の対象となる利子所得については、今後の検討課題とされています。
第2項では、税額控除と給付の仕組みについて、人的控除の見直しを含めて検討することとしています。
第3項では、支援金制度における地方の負担を軽減し、国の役割を拡大する方向で検討することが規定されています。
第4項では、支援金制度の対象とならない、いわゆる福祉三法の対象者などとの関係を調整することとしています。支援金制度の対象外となる人々への対応も、制度設計における重要な検討事項です。
第5項以降は、年金などに関する規定です。さらに、第8項では、所得税の人的控除のあり方の見直しを含む、所得税の抜本的な改革について検討することが規定されています。
人的控除の見直しから所得税制の抜本改革へ
現行の所得税における人的控除は、制度改正が重ねられてきた結果、控除の種類や金額が統一されておらず、全体として整合性を欠く面があります。
特に、自民党から民主党へ政権が移行した際には、「控除から手当へ」という考え方に基づく改正が行われました。こうした経緯も踏まえ、人的控除そのものの整理・統合に加え、税額控除や給付との関係を改めて整理する必要があります。
この問題は、就業者負担軽減支援金の制度設計にとどまりません。所得税の人的控除のあり方を見直し、税額控除や給付との関係を再構築することは、所得税制全体の大きな改革につながる課題といえます。
矢内 一好
国際課税研究所
首席研究員
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