毎月3万円を援助していた72歳祖母。支援をやめると…
72歳の洋子さん(仮名)は、5年前に夫を亡くし、現在は一人暮らしです。年金は月約18万円。住宅ローンを完済したマンションに住んでいます。
車で30分ほどの場所には、44歳の長男・直樹さん一家が暮らしています。直樹さんは妻と小学4年生の娘、小学1年生の息子の4人家族です。
洋子さんは3年ほど前から、息子一家に毎月3万円を援助していました。きっかけは、孫娘が習い事を始めたことでした。
「月謝もかかるでしょう。少しだけど、子どもたちのために使って」
そう言って渡したお金を、直樹さん夫婦はありがたく受け取りました。その後、下の孫も習い事を始めたため、洋子さんは毎月決まった日に3万円を振り込むようになったのです。
息子一家は週末になると、よく洋子さんの自宅を訪れていました。
「孫たちは土曜日のお昼ごろに来て、一緒にご飯を食べたり、近所の公園へ行ったりしていました。にぎやかで楽しかったですよ」
洋子さんも孫たちの好物を用意し、ときには夕食まで一緒に過ごしていたそうです。
ところが、昨年からマンションの管理費や修繕積立金が値上がりし、毎月の住居費が約1万円増えました。食料品などの値上がりもあり、以前より家計に余裕がなくなってきたといいます。
年金月18万円のうち、息子一家への援助は3万円。年間では36万円になります。
洋子さんは自分の貯蓄を取り崩す月が増えたことをきっかけに、援助を見直すことにしました。
ある日、直樹さんに電話で伝えます。
「悪いけど、来月から3万円は送れないと思うの。私もこれからの生活があるから」
直樹さんは少し驚いた様子でしたが、「分かった。今までありがとう」と答えました。
洋子さんも、息子は理解してくれたのだと思っていました。しかしその翌週から、息子一家の訪問が減り始めます。
最初の週末は「子どもの予定があるから」、翌週は「家族で出かけるから」と連絡がありました。その後も予定が合わず、気づけば1ヵ月以上孫たちの顔を見ていません。
以前は毎週のように鳴っていた玄関のチャイムが、ぱったり鳴らなくなったのです。
「お金を渡さなくなったから、来なくなったのかしら……」
洋子さんは、そんな疑問を抱くようになりました。
