米国は今後、増税路線に転じるのか? 中間選挙と巨額債務が左右する税制の行方【国際税務の専門家が解説】

米国は今後、増税路線に転じるのか? 中間選挙と巨額債務が左右する税制の行方【国際税務の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

2026年11月に実施される米国の中間選挙は、今後の税制の行方を占う重要な機会となります。民主党が議会で勢力を拡大すれば、大企業や富裕層への増税を求める動きが強まる可能性があります。一方、トランプ大統領が拒否権を行使すれば、増税の実現には高いハードルが立ちはだかります。巨額の債務を抱える米国は、今後、増税路線に転じるのでしょうか。

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中間選挙で民主党が勢力を拡大する可能性は?

2026年11月、米国では中間選挙が実施されます。下院議員435人全員が改選されるほか、上院議員100人のうち約3分の1が改選され、州知事などの選挙も行われます。

 

2026年9月に実施された世論調査では、大統領の与党である共和党の支持が低下し、民主党が有利との見方が出ています。その背景には、物価高や先行きが見通せないイラン紛争などがあります。一方、民主党内の左派・進歩派からは、大企業や富裕層への増税を求める声が上がっています。

増税法案の成立には大統領の判断が影響

米国では、日本と異なり、大統領に議会への法案提出権はありません。大統領は教書などを通じて政策方針を議会に示し、議員が法案を提出して審議する仕組みです。

 

歳入に関する法案は、まず下院で審議されます。下院で可決された法案は上院に送られ、上院でも可決されると大統領に送付されます。大統領が署名すれば法律が成立します。

 

仮に今回の中間選挙で民主党が上下両院の多数派となり、増税法案を可決したとしても、大統領が拒否権を行使する可能性があります。

 

ただし、議会が大統領の拒否権を覆すことも可能です。上下両院それぞれで3分の2以上の賛成を得れば、拒否権を覆して法案を成立させられます。しかし、この要件を満たすのは容易ではありません。

 

中間選挙で民主党が勝利し、議会の主導権を握った場合、大統領の残り2年の任期は、いわゆる「レームダック(求心力が低下した状態)」となる可能性があります。大統領と議会の対立が深まり、税制改革を含む政策の実現が難しくなることも考えられます。

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