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固定金利でも変動金利でも、損得はないはず
長期的な資金の貸し借りをする場合の金利には2種類あります。1つは固定金利で、当初契約の時に満期までの金利を決めてしまうものです。もう1つは変動金利で、「その時々の世の中の金利を使って支払い利息を計算する」というものです。
プロとプロが長期的な資金の貸し借りをする市場で固定金利が用いられる場合の金利を「長期金利」と呼びます。実際には貸し借りをするというよりも「金利が〇%の国債を売ることで資金を調達し、買うことで資金を運用する」という場合も多いので、10年物国債の市場利回りを長期金利と呼ぶ場合も多いのですが、わかりにくいので、本稿ではプロ同士が貸し借りすることにしておきましょう。
プロは契約の際、「短期金利での貸し出しを繰り返すのと、長期金利で貸し出すのとどちらが得か」「短期金利での借り入れを繰り返すのと、長期金利で借りるのとどちらが得か」を考えますから、契約が成立するということは、「どちらで取引しても損得はない」とプロが考える水準の金利になっているということです。その際にプロが重視するのは、将来の短期金利の予想です。将来の短期金利が上がるとプロたちが思えば、「長期金利が高くなければ、短期貸し出しの繰り返しを選ぼう」「長期金利が多少高くても、長期金利で借りておいた方が得だ」ということで、長期金利は高くなるのです。
住宅ローンの金利は、プロたちの間で取引される金利に利鞘(銀行のコストや利益)を上乗せして決まっているので、住宅ローンも変動で借りても固定金利で借りても(プロたちの短期金利の予想が当たるならば)損得はないはずです。
固定金利で借りる理由は「インフレリスク」
プロたちの予想がどちらに外れるかは借りる人にはわからないのですから、考えても無駄ですが、プロたちの予想が外れた時に何が起きるかは考えておく必要があります。プロたちの予想とくらべ、短期金利の上がり方が少なければ、「変動金利で借りておけばよかった」ということになりますが、固定金利で借りた人が悲惨な目に遭うわけではありません。一方で、短期金利がプロたちの予想以上に上がった場合には、変動金利で借りた人が悲惨な目に遭う可能性もあります。
筆者が固定金利を勧める最大の理由は、「リッチになるより惨めにならないこと」を重視するからです。固定金利で借りておけば、悲惨な目に遭うことはないのに、変動金利で借りると悲惨な目に遭う可能性があるなら、固定金利の方が安心です。
少子高齢化による労働希少(労働力不足と呼ぶ人が多い)により、賃金が上昇していくことが予想されるわけですから、物価は上昇し、金利も上昇していく可能性が高いでしょう。
加えて筆者が気にしているのが大災害による超インフレです。南海トラフ大地震が発生すれば、復興資材の需要が急増する一方で生産力は激減しかねませんから、超インフレになるかもしれません。復興資材の輸入のためのドル買いが著増すれば、ドルが急騰し、輸入物価が急騰するでしょう。そうなれば、日銀が物価抑制のために厳しい金融引き締め(金利の引き上げ)をするでしょう。そうなっても悲惨な結果を招かないように、固定金利で借りておく方が安心なのです。
