「今日もごちそうさま!」毎週末の訪問で増えていく食費
68歳の佳代子さん(仮名)は、郊外の一戸建てで一人暮らしをしています。長年会社員として働いていたため、年金は月約19万円。住宅ローンは完済しており、預貯金も約1,800万円あります。
車で20分ほどの場所には、42歳の長男・拓也さん(仮名)が妻と小学2年生、5歳の子どもと暮らしています。
以前は月に1、2回ほどだった息子一家の訪問が、半年前からほぼ毎週末になりました。
「最初はうれしかったんです。孫たちも大きくなって、なかなか会えなくなると思っていましたから」
息子一家は土曜日の昼前に訪れ、夕食を済ませて帰るのが恒例になっています。
昼食にはうどんやチャーハン、夕食には唐揚げやハンバーグなど、孫たちの好きな料理を用意。おやつやジュースも欠かせません。
「ばあば、今日は何作ってくれるの?」
そんな言葉を聞くと、つい張り切ってしまうといいます。ただ4人分の食事が増えると、買い物の量も変わります。
「お肉も野菜も、普段の何倍も必要になるんです。孫が好きな果物なんかも買うと、結構な金額になりますね」
佳代子さんが家計簿を確認したところ、息子一家が来る週末の食材費やおやつ代は、1回あたり約4,000〜5,000円。月4回なら、1万6,000〜2万円ほどになります。
生活に困っているわけではありませんが、毎月の出費としては無視できません。
それでも、佳代子さんは息子夫婦に費用を請求したことがありませんでした。
「たまに来るくらいならごちそうしてあげたいと思うんです。でも、毎週となると、ちょっと話が違ってきますよね」
そんなある日、孫たちが遊びに来たときのことです。
「今度の日曜日、みんなでどこか食べに行く?」
佳代子さんが尋ねると、小学2年生の孫は元気よく答えました。
「ばあばの家がいい! ばあばの家ならタダだから!」
その場にいた拓也さんは「こら、そんなこと言うなよ」と笑いました。佳代子さんも笑って受け流しましたが、その言葉が心に残ったそうです。
