納期まで3日…関西→関東「希少な美術品」輸送成功の秘訣は

富裕層のなかには、家に代々伝わる高額、希少な美術品を持つ人も少なくありません。美術品の梱包・輸送・保管までワンストップで取り扱っている武蔵通商株式会社の代表取締役の澤田仁氏によると、美術品の最大の課題は「価値保全」にあるといいます。同社では、実際に価値保全をするため、どんな取り組みを行っているのでしょうか。今回は「美術品の輸送」について見ていきましょう。

長距離移動でも価値保全…武蔵通商の「輸送技術」

商品を購入したところ、輸送中に破損、紛失をしてしまった……という人は少なくありません。しかし、高額・希少な美術品は、世のなかに同一のものが存在しないことも多く、いかに価値を保ったまま運ぶことができるかが重要になります。

 

武蔵通商の澤田氏は、武蔵通商の輸送技術について次のように語っています。

 

上段:10トン大型車 下段:7トン幌エアサスゲート車(増トン車)
上段:10トン大型車
下段:7トン幌エアサスゲート車(増トン車)

 

 

「北は北海道、南は九州まで、当社の輸送車両は全国を走り続けています。これら一騎当千のトラックは全部で50台。

 

振動を吸収し作品への衝撃を和らげるエアサスペンション車を主力とし、温度管理が可能な空調設備を装着している車両も完備しています。

 

たとえば7トンエアサスゲート車は、10トンクラスの大型車が通行出来ない場所でも通行が可能で、積載も7100キロまでOK。アコーディオン式幌車なので上部からの吊上げとスムーズ且つ短時間の幌がけが可能です。エアサスペンション装備のため、超精密高額重量物の輸送・搬入据付作業に最適です。

 


特に2トンエアサスゲート車は、どのトラックメーカーも一般販売を行っておらず、特注オーダーで保有しているため、同業他社にはない戦力だといえます(特注でも取り扱えるのは大手トラックメーカー1社のみ)。さらに、バンや軽自動車も用意し、道路幅員の狭い首都圏の住宅街もカバーしてきました。

 

トラックのラインアップが豊富なのは、美術品輸送における多様なニーズに不可欠だからにほかなりません。高額というだけでなく、繊細であることも多い美術品にとって、輸送時の大敵は振動です。日本国内だけを考えても道路コンディションは一様ではありません。エアサス車は振動を吸収するため、お客様の大切な品物を安全に輸送することができます」

 

また、材質によって、湿度や温度変化により変形、劣化が生じる美術品も少なくありませんが、空調装備車を導入しているため、どんな美術品の輸送にも対応することができます。

 

「温度と湿度はデリケートな美術品に多くのストレスをかけます。実際、空調指定での依頼も少なくありません。温調、空調装備車を使うことで、決まった温度・湿度をキープしながら配送することができます」

どんな流れで「輸送」されるのか…実例をもとに解説

 

これまで美術品の輸送について説明してきましたが、実際に武蔵通商に輸送を依頼した場合、どのような流れで作業が進んでいくのでしょうか。

 

「関西の大学から都内の大学へ、美術的価値が高い大型木製模型の輸送作業の依頼を受けたことがありました。輸送実施日の3日前に打診があり、輸送に必要な最低限の情報をヒアリングしたのち、準備に入りました。

 

美術品に相当する商材は事前調査を実施、必要があれば現地視察をしたうえで輸送しますが、このケースでは納品日が迫っていることもあり、電話・メールでのヒアリングを行っています。当社オリジナルの強化ダンボール、発泡材を持参し、無事に配送を完了させました」

 

また武蔵通商では、国内のみならず、海外への輸送にも対応しています。

 

澤田「海外への輸出は梱包や手続き、コスト面に不安を感じる方が多いのですが、弊社では国内と同様に、美術品の価値を保全したまま輸出することが可能です。

 

お客様のご予算に合わせて、空路、海路など輸送ルート、最適な梱包設計のご提案をしています。また『通関代行』も行っており、面倒な通関手続きも含め、ワンストップでお任せいただけます。

 

以前、アメリカまで7日程(お問い合わせから梱包、輸送、貿易手続き含み現地着まで)でお届けした実績もあり、国内外問わず急な輸送のご要望にも応えられるのが弊社の強みだといえるでしょう」

 

の様子
重量がある商品を移動している様子

また、輸送の前後には梱包した美術品の積み込み、現地に到着してからの荷下ろし、開梱、据付業務が付随しています。これらも当然ながら武蔵通商の事業領域です。

 

商品によっては重量があるものも多く、パワーゲートや移動式小型クレーンの付いたトラックを使用することもあるそうですが、外注ではなく、すべて社内の人間で運転を行うことが可能だと、澤田氏は語っています。

 

「弊社の輸送部門スタッフが保有している資格免許のうち、実践で一番多く使うのが玉掛け技能、小型移動式クレーン運転技能、床上操作式クレーン運転技能、フォークリフト運転技能です。ひとりのスタッフがこれだけの資格を有していることが、弊社ならではの特徴です」

 

また、無事美術品が依頼場所に到着しても、作業はそれで終わりではありません。依頼があれば、武蔵通商が据付作業を行います。重量物の場合は、ビルの2階、屋上など、階段での運搬が困難なため、クレーンなどの専用機材を駆使することもあります。一体なぜ、このようなサービスをワンストップで提供することが可能なのでしょうか。

 

「難易度の高い作業になると、高所作業時のゴンドラの取り扱いや門型による楊重作業の取り扱いなど、高い技術とノウハウが要求されます。長年にわたり実績を積み、技術の伝承が行われてきたからこそ、弊社は輸送に付随する、あらゆる作業に対応できるスタッフを有しているのです。これは武蔵通商の絶対的な強みの一つです。

 

長年にわたり、物流の現場で仕事をしてくると、他社やロジスティクス資材業者との広範かつ強力なネットワークが形成されるものです。これを有効に活用すれば、多様なニーズに対応することができます。そのため、企画提案から実作業にいたるまで、ノンストップでメニューを用意することが可能になるのです。私どもが、美術品分野を中心に保管という業務まで対処しているのも、そこに意義があるからにほかなりません」

 

次回は、美術品の価値保全において重要な3つのシーンのうち、「保管」について見ていきます。

 

 

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創業以来約半世紀に亘り培ってきた技術を基に、熟練したスタッフが「超」と付く品物(超精密、超高額、超レア、超重量など)をどこよりも安全確実に取扱い、難解、特殊な場所でも円滑スピーディーに対応できる『匠の技』による物流サービスをご提供します。近影は代表取締役の澤田仁氏。

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著者紹介

連載高額・希少でも安心…美術品の価値を保全する「武蔵通商」の凄み