国外投資家だけで価格上昇を説明することはできない
また、国外投資家による投資によって不動産価格が上昇したとの見方がありますが、国土交通省の調査(図表7)によれば東京都においては3.0%程度です。
ただし、国外住所で判別しているため「見た目は国内法人(実質的な株主は国外投資家)」のケースも多くあるものと思われ、必ずしも実態を反映していない可能性もあります。
したがって、国外投資家による不動産価格の上昇は一部あるものの、国内投資家による影響もかなり大きいといえるでしょう。
金利上昇で不動産市場の潮目は変わるのか
不動産価格が上昇した理由として「低い金利」「相続対策」「転売目的の投資家」を要因としてあげました。これらが重畳的に関連していた結果であると考えられます。この3つのうち他の2つに関連するものは「金利」です。相続対策は基本的には長期保有となることから転売目的とは異なる考え方です。
冒頭で説明した通り長らく低金利の時代が続いており、不動産市場においては良好な時期であったと考えられます。しかし、2024年3月に日銀がマイナス金利を解除してから潮目に変化が生じました。金利の上昇は、住宅ローンやアパートローンなどの不動産関連融資にとっては向かい風となります。不動産の購入にあたっては、そのほとんどでローンを調達します。今までローンによって購入できていた層が金利上昇に反比例して減少しています。
近時においては、供給が多かった場所や立地面で劣っているマンションの在庫(売りに出している不動産)が増加しており、大幅に価格を落とさないと成約しないというケースが増加しているようです。
先述した通り戸建てなどと異なりマンションについては急速に上昇をしたことから、その反動にも留意が必要でしょう。税制改正についても同様です。年々、相続対策にとっては対して厳しいルール改正がなされているため、税制改正に対応した対策が必要となっています。
小俣 年穂
ティー・コンサル株式会社 代表取締役
不動産鑑定士
ファイナンシャル・プランニング技能士 1級
宅地建物取引士
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