融資約定書に記載された「利息」に関する条項
“金利は固定にされたほうが、安心ですよ”
銀行にそうすすめられ、“固定金利で借りました。”
とおっしゃる経営者に、お目にかかることがあります。
で、そのような方々は、“金利もそのうち上がるかもしれないし、そうなったら、固定の方が確かにトクだと思います。”
と、おっしゃられます。
しかし、よく考えてみてください。銀行の提案で、トクをしたことがあるでしょうか?
もしも、固定金利以上に金利が上がったとして、本当に借り手がトクをする状況になると思いますか?
相手はおカネを貸すプロですよ。しっかりと、ウラ条件を備えています。それは、融資約定書にあります。「利息」に関する条項です。そこには概ね、次のようなことが記されています。
「金融情勢の変化、その他相当の事由がある場合には、一般に行われる程度のものに、変更を請求できるものとします。」
「固定を変動化」できるようにしてある!?
つまり、多くの経営者が描いているような、金利上昇のケースが仮にあったとしても、この条項をたてにして、“固定金利の見直しをお願いします”と、言えるように仕掛けてあるのです。固定を変動化できるように、してあるのです。
この文言は、銀行にとって、かなり有利で便利です。そもそも、約定書の各条項など、
いちいち細かく読んで確認する経営者は、少ないです。それをわかったうえで、仕掛けてくるのです。
だから、銀行にすれば、固定金利で全然オッケーなのです。リスクヘッジの条項を備えているからです。まして今や、史上最低の低金利時代です。
固定金利にしておけば、金利上昇リスクが発生するまでは、銀行は大いにトクするのです。
銀行の甘い言葉には、必ずウラがある。そう考えておいてほしいのです。