今回は、個人保証に関する「金融庁のガイドライン」について見ていきます。※本連載では、現場での実務経験豊富な経営コンサルタントである著者が、銀行交渉の成功事例、融資を受けるために知っておきたい銀行の内部事情などを紹介します。

銀行との交渉で出た意味不明の言葉

“個人保証は外してもらいないさい!”

 

“外せますよ。”

 

と、繰り返し、申し上げています。

 

とはいえ、“銀行に交渉したら、こんなことを言われました!”と、簡単には進まない場合が多いです。

 

しかし、なかには、“えっ?それってどういうこと?”と言いたくなる、意味不明の困った迷言もあるのです。

 

倫理的に責任の所在をはっきりさせるためです

 

これも、なんだか煙幕を放たれたような、意味不明の言葉です。もはや、わけがわかりません。

 

あらためて、金融庁のガイドラインを見ました。個人保証に対する金融機関の考え方を変えることになった、金融庁のガイドラインでは、次のような見解です。

 

個人保証は、

 

1)経営に対する経営者の規律付け

2)資金調達の円滑化

 

ということに寄与する一方、

 

3)思い切った事業展開の阻害要因

4)経営が窮境に陥った場合の再生阻害要因

 

になっているのが、課題としています。

 

だから、個人保証をむやみにつけるな、個人保証ははずしなさい、と、金融機関の考え方を変えさせたわけです。

できれば個人保証を外したくない銀行担当者

先に登場した、意味不明の言葉は、おそらくは1)のことを指すのでしょう。
が、3)と4)については、全く応えていない、ということになります。

 

つまり、金融庁が推進しようとしていることを無視している、ということになります。

昔のまんま、スタンスはな~んも変わっていない、わけです。

 

銀行担当者は、個人保証を外したくないのです。
銀行員の評価は、点数制です。個人保証を外すことは、点数のマイナスに影響します。
だから、ああだこうだと、言ってくるのです。

 

わけのわからない迷言に流されず、さらなる交渉を続けてほしいのです。その実際の攻防戦については、また、改めて書かせていただきます。

本連載は、株式会社アイ・シー・オーコンサルティングの代表取締役・古山喜章氏のブログ『ICO 経営道場』から抜粋・再編集したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。ブログはこちらから⇒http://icoconsul.cocolog-nifty.com/blog/

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