(※写真はイメージです/PIXTA)

マンションの大規模修繕工事をめぐる受注調整で、公正取引委員会は2026年9月28日、独占禁止法に基づく排除措置命令と課徴金納付命令を出した。公取委は、関東地区(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬)のマンションの大規模修繕工事について、設計コンサル業者2社(リノシスコーポレーション、翔設計)と施工業者40社の計42社について、独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定。38社に排除措置命令、37社に課徴金納付命令を出し、課徴金の総額は16億3788万円となった。対象工事は171件で、受注額は合計約310億円に上る。今回の問題を受け、対象となったマンションの所有者にとって気になるのが、「自分たちが高く支払った修繕費は取り戻せるのか」「返金された場合、税金はかかるのか」という点である。※本連載は、THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班が担当する。

自宅として使う場合と、賃貸する場合

同じマンションの区分所有者でも、自ら居住しているのか、賃貸に出しているのかによっても注意点がある。

 

個人に帰属するお金であれば、自宅の修繕代金の単純な過払い返還は、通常、新たな所得とは考えにくい。

 

一方、賃貸物件の必要経費を補う損害賠償金については、原則として不動産所得の収入金額に反映する必要がある。

 

国税庁も、必要経費を補てんするために受け取る損害賠償金については、所得の収入金額に算入するとしている。

 

貝井税理士は、元の工事費を資産計上していた場合についても注意を促す。

 

「元の工事費を資産計上していた場合は、取得価額や減価償却との関係を検討します」

 

一方、賃貸している所有者が修繕積立金を経費として処理していることだけを理由に、管理組合が回収したお金が自動的にその所有者の所得になるわけではない。

 

「賃貸している所有者が修繕積立金を経費にしていることだけで、管理組合の回収金が自動的にその人の所得になるわけではありません。個人が支払った積立金と、管理組合が支払った工事代金を分けて確認することが重要です」(貝井税理士)

 

つまり、賃貸物件だから一律に課税されるわけでもない。どの支出を補てんするお金なのかを確認する必要がある。

消費税にも注意が必要

もう一つ確認しておきたいのが消費税である。

 

国税庁は、資産に加えられた損害に伴って受け取る損害賠償金について、通常は資産の譲渡等の対価には当たらないとしている。

 

ただし、その損害賠償金が課税対象となるかどうかは、名称ではなく実質によって判定される。

 

貝井税理士も、この点について注意を促す。

 

「消費税についても、純粋な損害賠償金か、元の工事代金の減額・返還かで取扱いが異なり得るため、所得税・法人税とは別に確認する必要があります」

 

したがって、和解などによってお金を受け取る場合には、所得税や法人税だけでなく、消費税についても確認することが必要である。

次ページ和解書には「何のお金なのか」を明記

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