値札やレジも変更に…事業者は早めの準備が必要
事業者にとっては、税務処理だけでなく、消費者に示す価格表示への対応も必要となる。
飲食料品の価格が1%の税率を前提としたものになるため、値札やメニュー、ECサイトの商品価格などを変更する必要が生じる。レジや会計システムについても、1%の税率を正しく処理できるよう改修が必要となる。
なお、値札やシステムの一斉切り替えが難しい事業者への配慮として、総額表示義務についても特例が設けられる。税率変更の前後それぞれ最大2カ月間は、旧税率(引下げ時は8%、復帰時は1%)に基づく総額表示を継続してよいとされている。
さらに、2029年3月31日で2年間の措置が終了すれば、飲食料品の税率は再び8%に戻る予定である。事業者からすれば、2027年の税率変更に対応した後、2年後には再び税率を変更する可能性がある。システム改修や価格表示の変更を一度行えば終わりという制度ではない。
2年間の引き下げ…2029年4月には8%に戻る予定
今回の飲食料品に対する1%への引き下げは、恒久的な税率変更ではなく、2年間の臨時措置として示されている。
法案が成立した場合、2027年4月1日から2029年3月31日まで飲食料品の税率は1%となり、2029年4月1日からは現在の8%に戻る予定だ。
消費者にとっては、食品を購入する際の負担が変わるだけでなく、外食や酒類などには1%が適用されないことを理解しておく必要がある。一方、事業者にとっては、レジや会計システム、インボイス、価格表示、消費税の申告など、対応すべき項目が多岐にわたる。
国税庁は今後も特設サイトに最新情報を掲載するとしている。今回の制度はまだ法案成立前であるため、実際に制度がスタートするまでの間に、詳細な取り扱いが追加・変更される可能性もある。
「食料品は1%になる」という消費者側のメリットだけでなく、その裏側でどのような事務負担や税務上の対応が生じるのか。今後、制度の具体化に伴って確認していく必要がある。
今回の消費減税決定を受け、9月に『食料品消費税1% 減税×給付付き税額控除の真実』を緊急出版した矢内一好氏は、取材に対し、次のような見解を示した。
① 令和9年4月から実施されるため、法案成立を待っていては混乱が生じる恐れがある。したがって実務では、前倒しの準備が必要だ。
② 本稿では、外食事業者等を取り上げているが、農漁業従事者も改正の影響を受ける。これらの事業者に対して、政府がどのような援助をするのかが、財源論よりも身近な問題である。
③ 2年間の減税期間終了後、税率が1%から8%に戻る。この2年間に1%対応の取引形態に変えた場合、8%に戻ると、再び8%対応の体制に戻す必要がある。この戻りによって損失が生じた場合、政府から何らかの手当があるかどうかは、現在のところ不明である。いずれにせよ、1%対象となる事業者は、税法改正に翻弄されることになる。
THE GOLD ONLINE編集部ニュース取材班
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