祖父母にとって孫との外食は、成長を実感し家族の絆を確かめ合う大切な団らんの場です。しかし、「会計」を巡ってトラブルとなることも。事例を見ていきましょう。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したものです。
「もう一緒に外食したくない」孫に御馳走したい71歳義母のため、家族で回転寿司に行ったが…会計後に40歳嫁が辟易したワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

義母と外食へ行くといつも…

「お気持ちは嬉しいのですが、毎回あんな態度を取られるくらいなら、最初から自分たちでお金を払って気兼ねなく食べたいんです」

 

都内のマンションで夫と育ち盛りの子ども3人(小学生2人、中学生1人)と暮らす会社員の優実さん(40歳)。夫婦共働きで、世帯年収は約1,400万円。都内在住であり、子どもが3人いるためゆとりがあるというほどではありませんが、日々の生活や教育費に困窮してはいない状況です。

 

そんな優実さんが強いストレスを抱えているのが、隣県に一人で暮らす義母・真由美さん(71歳)との定期的な外食です。

 

数年前に義父を亡くした真由美さんは、夫が遺した遺族厚生年金と自身の年金を合わせ、月約20万円を受給しています。一人暮らしの年金生活としては比較的安定した収入ですが、真由美さんは根っからの倹約家。普段はスーパーの見切り品を買い、電気代を細かく節約する生活を徹底しています。

 

一方で、真由美さんには「孫たちにいい顔をしたい」「頼もしいおばあちゃんでいたい」という見栄があるようです。月に1度ほど「みんなでご飯を食べに行きましょう」と声をかけてくるのですが、指定される行き先は決まって大手チェーンの回転寿司、ファミリーレストラン、あるいは低価格の焼肉食べ放題でした。

 

食べ盛りの孫3人を連れて行くとなれば、チェーン店であってもそれなりの会計になります。先週末、家族5人と真由美さんの計6人で訪れた大手回転寿司チェーンでも、子どもたちは寿司だけでなく、揚げ物やうどん、デザートまで次々と注文し、テーブルにはあっという間に皿の山が築かれました。真ん中っ子の孫に至っては、サーモンが大好きなので、サーモンを一人で5皿平らげました。

 

食事を終え、レジへ向かう際、優実さんは財布を取り出し「お義母さん、私たちが……」と声をかけました。しかし、真由美さんは強い口調でそれを制止します。

 

「いいのよ! ばぁばがみんなをごちそうするって誘ったんだから、ここは私が払います!」

 

そこまで頑なにいわれては無理に奪うわけにもいかず、優実さんは一歩下がって会計を見守りました。しかし、問題はその直後に起こります。レシートを凝視した真由美さんは、店を出た歩道で、「見て」と優実さんに先ほどのレシートを見せてきます。レシートには1万5,000円と印字されていました。真由美さんはいつもそうなのです。

 

「やっぱり男の子が3人もいると、食べる量が半端じゃないわねぇ!」

 

そして、孫たちをじっと見つめ、無言のプレッシャーをかけます。その意図を察した夫が「ほら、お前たち、ばぁばにきちんとお礼をいいなさい」と促すと、子どもたちは「ばぁば、ありがとう!」「ごちそうさまでした!」と声を揃えました。すると真由美さんは満足げに目を細め、「どういたしまして。また連れてきてあげるからね」と笑顔を浮かべたのです。

 

「わざわざレシートを見せられ、恩着せがましく金額を伝えられるくらいなら、最初から全額こちらで負担したい。一緒に外食となると、いつも気が重くなります。こんなことなら行かないほうがいいですが、そういうわけにもいかないですからね……」

 

孫に格好をつけたい見栄と、身銭を切った痛みを隠せない倹約癖。義母の複雑な感情に巻き込まれる外食の席に、優実さんは深い疲労感を募らせています。