令和6年の国税庁の統計で、相続税の課税割合が10%を超えました。全国では10人に1人、東京国税局管内では約6人に1人が課税対象となっています。背景には、基礎控除の引き下げに加え、地価や金融資産価格の上昇などがあると考えられます。相続税は一部の富裕層だけの問題とはいえなくなりつつあります。国税庁の最新データから、課税割合の実態と地域差、さらに相続に備えて確認しておきたい資産構成のポイントについて、公認会計士の岸田康雄氏がわかりやすく解説します。
現金・預貯金が最多、土地と有価証券も大きな割合
令和6年分の課税価格の合計額は23兆3,846億円でした。財産の内訳を見ると、現金・預貯金等が34.9%と最も大きな割合を占めています。次いで土地が約30%、有価証券が約18%となっています。相続財産の大部分を、預貯金、不動産、有価証券が占めていることが分かります。
こうした資産構成を考えると、相続税を考える際には、預貯金の残高だけを見るのではなく、自宅などの不動産や保有株式を含めた財産全体を把握することが重要です。
もっとも、これらはあくまで統計上の全体像です。実際に相続税が課税されるかどうか、また税額がいくらになるかは、財産の内容だけでなく、相続人の構成や各種特例の適用状況によって大きく変わります。
東京では課税割合16.2%、全国平均を大きく上回る
全国の課税割合が10.4%であるのに対し、東京国税局管内では16.2%に達しています。全国平均と比べると、東京国税局管内では相続税の課税対象となる割合がかなり高いことが分かります。
さらに、被相続人1人当たりの税額も、全国平均の約1,946万円に対して、東京国税局管内では約2,670万円となっています。
こうした地域差の背景として考えられるのが、東京圏の高い地価水準です。土地は相続財産の中でも大きな割合を占めています。特に東京都心部では、地価水準が高いため、住宅用地であっても相続時の評価額が大きくなることがあります。
そこに預貯金や株式などの金融資産が加われば、財産全体の評価額が基礎控除額を超える可能性も高まります。
公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)
平成28年度経済産業省中小企業庁「事業承継ガイドライン委員会」委員、令和2年度日本公認会計士協会中小企業施策研究調査会「事業承継支援専門部会」委員、東京都中小企業診断士協会「事業承継支援研究会」代表幹事。
一橋大学大学院修了。中央青山監査法人にて会計監査及び財務デュー・ディリジェンス業務に従事。その後、三菱UFJ銀行ウェルスマネジメント営業部、みずほ証券投資銀行部M&Aアドバイザリーグループ、メリルリンチ日本証券プリンシパル・インベストメント部不動産投資グループなどに在籍し、中小企業の事業承継から上場企業のM&Aまで、100件を超える事業承継とM&A実務を遂行した。現在は、相続税申告と相続・事業承継コンサルティング業務を提供している。
WEBサイト https://kinyu-chukai.com/
著者登壇セミナー:https://kamehameha.jp/speakerslist?speakersid=142
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