『Teames Nishi-Gotanda』…造作の工夫と立体空間の活用
品川区西五反田に竣工した『Teames Nishi-Gotanda』は、グラディウス仕上げ(特殊左官仕上げ)の外観が印象的なRCマンションだ。本物件の現場管理を担当した工事部の並木氏は、限られた敷地の中で、居住性とコスト抑制を両立させるための造作の工夫を凝らした。
特に象徴的なのが、キッチンの天板に採用された人工大理石「アースストーン」だ。並木氏はその機能性とコストカットの仕組みを次のように明かす。
「アースストーンは熱や傷に強く、多少の傷なら削って修復できる優れた素材です。既製品のシステムキッチンをそのまま導入するのではなく、パーツ単位で購入して大工さんに現場施工してもらうことで、メーカー既製品の半分以下のコストに抑えることができました」
さらに、屋根の傾斜をそのまま活かした勾配天井で開放感を確保した寝室や、ウッドデッキタイルを敷き詰めたバルコニー、ドライエリア付きの地下階など、変形地・狭小地を感じさせない立体的な空間創出がなされている。
本物件が初めての単独担当となった並木氏は、「お施主様にお引渡しした際、完成した建物を見て大変喜んでいただけた時に一番のやりがいを感じます。自分で選定した照明などの提案が採用されるのも嬉しいですね。今後は800〜1000平米規模の大きな物件にも挑戦していきたいです」と抱負を語る。
『Recorrido Hatagaya』不燃規制の克服と若者ニーズへの最適化
一方、京王線幡ヶ谷駅近くに誕生した『Recorrido Hatagaya』は、コンクリート調の塗装とタイル仕上げの外壁を備えたRCマンションだ。工事部の佐々木氏が空間デザインのこだわりを解説する。
室内でまず目を引くのが、完全独立型のアイランドキッチンだ。狭小住宅では配管関係の制約から壁面に寄せざるを得ないことが多いが、段差スラブを設けることにより独立配置を実現。足元にはタイル調の石を貼り、高級感を演出している。
また、地下階などの厳しい内装制限(不燃規制)に対応するため、アルミ角材に木目調クロスを巻き付けた「無垢風ルーバー」を天井に設置。本物の木材を使わずに法令規制をクリアしつつ、白と木目のコントラストで洗練された室内空間を作り上げた。床材には大理石調のフロアシートを採用し、高級感のある質感と歩いても疲れない実用性を両立させている。
さらに、現代の若年層の生活習慣に配慮した設備提案も特徴的だ。佐々木氏はターゲット層のニーズをこう分析する。
「最近の若い方はテレビを持たないことも多いため、YouTubeやNetflixなどの動画配信を楽しめるよう、全室にプロジェクターを標準装備しました。また、照明も手で簡単に角度や位置を変えられるライティングダクトを採用し、入居者様が好みに合わせて空間をカスタマイズできるようにしています」
納期と予算を厳守する現場管理「手戻り・ロスゼロへの挑戦」
どれほど優れた企画・デザインであっても、予算や工期を守れなければ高収益住宅は成立しない。本物件が初めての担当現場となった佐々木氏は、現場管理の鉄則を次のように明かす。
「納期を守るために重要なのは、職人さんが次に使う道具や資材を常に先回りして段取りし、準備しておくことです。そして現場を常に清潔に保ち、整理整頓しておくこと。作業しやすい環境を作ることが施工品質の向上に直結します。またコスト管理においては、単に安い資材を使うのではなく、やり直し(手戻り)や材料の過剰注文(ロス)を極力出さない施工管理を徹底しました」
職人との密なコミュニケーションにより、一度で精度の高い施工を完了させることが、品質維持と予算遵守の両立を可能にしている。
23区の狭小地に強い「めぐる組」の現場力
東京23区内の狭小地において、品質・予算・工期を高水準でバランスさせながらRC建築を成立させられる施工会社は決して多くない。めぐる組(株式会社めぐる)の最大の強みは、こうした厳しい土地条件であっても、現場監督に大きな裁量を与え、並木氏や佐々木氏のような若手社員が果敢に挑戦できる現場力にある。
「狭小地でも高品質なRC建物を建てられる」という強みを胸に、若き技術者たちが切磋琢磨するめぐる組。彼らの徹底された現場マネジメントと創意工夫は、これからの都心型賃貸住宅に新たな可能性を提示している。
▼YouTube動画本編で詳しく観る