「会社にはもう財産がない」では終わらない
会社の資金が代表者に移るケースでは、さらに踏み込んだ対応が取られることもある[図表2]。
滞納法人の代表者が帳簿を作成せず、関係書類を意図的に廃棄したうえ、法人の資金を私的に流用していた。
その後、税務調査によって申告漏れが明らかになり、期限後申告が行われた。しかし、税務当局が税額を決定した時点では、すでに会社には納税に充てる資金が残っていなかった。
そこで国税当局は、代表者による不正な行為によって法人の財産が減少し、その結果として滞納が生じたと判断した。そして、法人から資金の移転を受けていた代表者に対し、「第二次納税義務」を賦課した。
第二次納税義務とは、一定の要件に該当する場合、滞納している本人だけでなく、その者と一定の関係にある者などにも納税義務を負わせる制度だ。
この事例が示すのは、会社の財産を代表者側へ移して会社の手元から資金をなくしたとしても、それで納税義務まで消えるわけではないということだ。むしろ、その資金移動そのものが、滞納に至った経緯として調べられることになる。

