(※写真はイメージです/PIXTA)

2026年7月24日、大規模災害時に首都機能を代替する「副首都」の指定を可能にする副首都法が参議院で可決・成立しました。法案審議では「大阪ありき」との見方もありましたが、成立後には北海道や愛知、福岡など複数の道府県が申請の検討を表明しています。その陰で、地方財政を巡っては、埼玉・千葉・神奈川3県が、東京都と神奈川県(川崎市)の間に生じている「多摩川格差」と同様の行政サービス格差の是正を繰り返し国に求めるなど、税源の偏在是正が大きな焦点となっています。本稿では、副首都法の成立とその余波、「多摩川格差」に象徴される税源偏在是正を巡る知事たちの動き、2027年4月に予定される食料消費税1%への引き下げに伴う地方財政への影響を整理します。

地方にとって「副首都」は大きなメリットになるのか

副首都に指定されれば、国の機関や交通・通信インフラなどの整備が進むことが期待されます。また、国による支援や公共投資が行われる可能性もあります。地方にとっては、人口や企業を呼び込むきっかけとなり、地域経済の活性化につながる可能性があります。

 

特に、東京一極集中によって人口や企業、行政機能が東京に集まり続けている現状を考えれば、国家機能を複数の地域に分散させることには一定の意義があります。

 

一方で、副首都に指定されたからといって、直ちに地方の税収格差が解消されるわけではありません。国の機関や企業がどの程度移転するのか、インフラ整備がどこまで進むのか、そして実際に人口や経済活動を呼び込めるのかが重要になります。

「東京一極集中」から「多極分散」へ進むのか

副首都法は、単なる災害対策にとどまらず、日本の国土構造そのものを変える可能性を持った法律です。

 

東京への税源や人口、企業の集中をどのように是正するのか。そして、地方にどのような行政機能や経済機能を移していくのか。税源偏在の是正と副首都構想は、別々の問題に見えて、実は「東京一極集中をどう是正するか」という共通の課題を抱えています。

 

今後、どの自治体が副首都への申出を行い、政府がどの地域を指定するのか。そして、副首都の指定が地方の税収や人口、企業誘致にどのような影響を与えるのか。今後の申出と政府による指定の経緯を注視する必要があります。

 

矢内 一好

国際課税研究所

首席研究員

 

 

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