(※写真はイメージです/PIXTA)

ホルムズ海峡をめぐる緊張が高まるなか、改めて注目されるのが、海洋に関する国際的な基本ルールを定めた「海洋法に関する国際連合条約(UNCLOS)」です。ホルムズ海峡に面するオマーンはUNCLOSの締約国である一方、イランは署名しているものの批准していません。では、UNCLOSが定める「通過通航権」は、ホルムズ海峡でどのように位置づけられるのでしょうか。国際物流の要衝をめぐる今回の問題から、海洋秩序と国際ルールの実効性について考えます。

オマーンとイランで異なるUNCLOSとの関係

ホルムズ海峡は、イランとオマーンの間に位置する重要な海峡です。

 

オマーンはUNCLOSの締約国であり、ホルムズ海峡の自国領海部分についても、同条約が定める通過通航制度を前提とした立場にあります。

 

一方、イランはUNCLOSに署名しているものの、批准していません。

 

この違いは、ホルムズ海峡をめぐる国際的な議論を考えるうえで重要です。

 

仮にイランがUNCLOS上の通過通航制度と異なる形で海峡に対する権限を行使した場合、イラン側からは「イランはUNCLOSを批准しておらず、条約上の義務を負っていない」という主張が出てくる可能性があります。

 

しかし、ここで注意しなければならないのは、「UNCLOSの締約国ではないこと」と「UNCLOSに関連する国際法上のルールを一切守る必要がないこと」は同じではないという点です。

 

国際法には、条約とは別に、国家の実行と法的確信の積み重ねによって成立する「国際慣習法」というルールがあります。UNCLOSに定められた規定のなかには、こうした国際慣習法として認められているものもあります。

 

したがって、ホルムズ海峡をめぐる問題では、「イランがUNCLOSに加盟していないから、国際法上まったく制約を受けない」と単純に考えることはできません。

次ページホルムズ海峡は世界のエネルギー輸送の「弱み」になり得る

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録
会員向けセミナーの一覧