現代における「親子の正しい距離感」とは?
内閣府『令和7年版高齢社会白書』では、一人暮らしの高齢者の増加を指摘したうえで、「一人暮らしの高齢者の増加等の環境変化に適切に対応し、多世代が共に安心して暮らせる社会の構築」を基本的考え方の一つに掲げています。また、高齢者が「できるだけ住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、『地域包括ケアシステム』の深化・推進」を始めるとし、医療・介護・住まい・生活支援を一体的に提供する体制の強化を強調しています。
さらに同白書では「身寄りのない高齢者への支援」や「支援を必要とする高齢者等を地域で支える仕組みづくりの促進」を具体的施策として位置づけ、成年後見制度の利用促進をはじめとする権利擁護の取り組みも取り上げています。高齢者の住まいの安全確保や生活支援は、家族の個人的な負担に過度に依存するのではなく、地域包括ケアシステムと公的・民間の多様な権利擁護・生活支援サービスを組み合わせて対応していく段階に入っていると言えるのではないでしょうか。
「最初は母に拒否されましたが、第三者の専門家が入ることで『娘に言われるより素直に聞ける』ようになったみたいです」と直子さんは語ります。
親が老いていく姿や、変わっていく実家を直視するのは辛いものです。しかし、「子どもだから全部やってあげなければ」「親の頼みだから断れない」と抱え込むと、共倒れになってしまいます。
「親子だからこそ限界がある」「無理なものは無理」という現実を受け入れ、早い段階で外部の支援や行政の窓口につなげること。それが、親の老後と自分自身の生活の双方が破綻しないための、現代における賢明な距離感と言えるでしょう。
THE GOLD ONLINE編集部
