(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢になると、年金が生活を支える中心的な収入になる人は少なくありません。一方で、年金以外に不動産収入や金融資産などを持つ人もいます。離れて暮らす親が、毎月どのような収入を得て、どれほどの資産を持っているのか。子どもがその全体像を知らないケースもあるでしょう。

「年金7万円で足りてるの?」息子が心配していた母の生活

「毎月7万円くらいで、本当に足りてるの?」

 

健一さん(仮名・53歳)は以前から、母の和子さん(仮名・79歳)に何度も尋ねていました。

 

和子さんは20代で結婚し、子育て中は専業主婦。その後はパートなどで働いてきましたが、厚生年金の加入期間は長くありません。現在受け取っている年金は月約7万円です。

 

日本年金機構によると、2026年度の老齢基礎年金の満額は、1956年4月1日以前生まれの場合、月7万408円です。年金額は国民年金保険料の納付期間や厚生年金への加入歴などによって異なります。

 

夫は10年前に亡くなり、現在は一人暮らし。自宅の住宅ローンはありません。

 

それでも、年金月7万円と聞けば、健一さんが心配するのも無理はありませんでした。

 

「足りないなら言ってよ。毎月少しなら俺も出せるから」

 

そう話しても、和子さんはいつも「大丈夫よ」と答えるだけ。

 

服装も質素で、旅行へ頻繁に出かけるわけでもありません。健一さんは「貯金を少しずつ取り崩しているのだろう」と考えていました。

 

そんな母の家を訪れたある日、健一さんはダイニングテーブルに置かれた書類を何気なく目にします。管理会社から届いた賃貸物件の収支報告書でした。

 

そこには、複数の部屋から振り込まれる家賃が記載されていました。

 

「これ、何?」

 

「アパートの明細よ」

 

和子さんが所有しているのは、亡くなった母親から15年ほど前に相続した小さな賃貸物件です。

 

健一さんも、母が祖母から古いアパートを相続したこと自体は知っていました。ただ、「築年数も古いし、多少のお金にはなっているのだろう」程度に考え、具体的な収支を聞いたことはありませんでした。

 

ところが、3室分の家賃は合計で月約27万円。

 

「え、これ毎月入ってるの?」

 

驚く健一さんに、和子さんはあっさり答えました。

 

「そうよ。年金だけで暮らしてると思ってた?」

 

年金と合わせれば、毎月の収入金額は単純計算で約34万円になります。

 

ただし、27万円がそのまま和子さんの手元に残るわけではありません。

 

国税庁によると、不動産所得は「総収入金額-必要経費」で計算します。賃貸物件では固定資産税や損害保険料、減価償却費、修繕費などが必要経費となり得ます。つまり「毎月27万円を自由に使える」わけではありません。

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