「見捨てた」のではなく…家族だけで背負わない仕組みづくりを
直子さんは重い足取りで自宅へ戻りましたが、親から「冷たい」と言われたショックと、放置すれば実家はいずれゴミ屋敷、そして廃屋になるのかもしれないと考えて、眠れなくなってしまいました。
しかし、よく振り返って、状況を整理すると、和江さんにも追い詰められた事情がありました。
一人暮らしの寂しさからか、通販に依存してしまったこと、筋力の低下でゴミ出しや掃除が物理的にできなくなっていたこと、そして「子どもに迷惑をかけたくない」と思っていたのか、ずっと素直に助けを求められずに強がっていたこと。
直子さんは夫にも相談した結果、自分たちだけで解決しようとするのをやめました。
まず、実家の自治体の「地域包括支援センター」と「社会福祉協議会」に相談。保健師やケアマネージャーに実家の現状を確認してもらい、要支援の認定申請を行いました。
その結果、週に一度のヘルパーによる訪問掃除(介護保険の適用)や、自治体が実施している高齢者むけのゴミ出し支援事業、さらにはシルバー人材センターによる低価格での庭木剪定サービスなどを活用できることがわかりました。
屋根の修理についても、地元の消費生活センターに相談したところ、訪問業者による過剰な見積もりである可能性が発覚。適正な地元の事業者に見てもらい、必要な箇所の補修のみ(十数万円)で済むことになりました。
