(※画像はイメージです/PIXTA)

遠方に暮らす高齢の親と、都市部で子育てに追われる子世代。久しぶりの再会を楽しみに訪ねたはずが、理解しがたいすれ違いから、関係が悪化してしまうケースは少なくありません。ある母親の実例から、双方が傷つかない「現代の親子関係のあり方」を考えます。*本記事は、複数の家族への取材を基に、個人が特定できないよう再構成しています。

「お義母さんとして、正解がわからない…」

みどりさんは居心地の悪さを感じながらも、孫との会話を楽しみ、夜10時過ぎには、案内された自分の部屋へ入りました。

 

夜遅く、喉が渇いてしまい、お茶を飲もうと静かに部屋を出ようとしたときです。台所から、少し抑えた声が漏れ聞こえてきました。義理の娘の声です。

 

「ねえ、お義母さんは明日何時の新幹線で帰るの?」

 

「昼過ぎじゃないかな。せっかく来たんだからゆっくりしてもらおうよ」と答える長男の声。

 

「そんなの困る。ただでさえ受験が終わってホッとしているのに、お義母さんがいると気を使ってしまって。台所も勝手に使って欲しくないし。お義母さん、だいぶ早く寝ていたから、絶対早く起きるでしょ。そしたら私も、朝早くから起きてないとダメな嫁だと思われそうでしょ?」

 

「まあ、でも遠くから来てくれたんだし」

 

「次からは、外で待ち合わせして、家には来ないでもらって、ホテルに泊まりましょうよ。部屋を分けて。そのほうがいいんじゃない? お互いのためにも。私がお義母さんのこと嫌いになってしまったら、嫌な思いをするでしょう?」

 

義理の娘に悪気があるわけではなく、ただ、自分のスペースである家、特に台所に入って来られることが嫌なのだろう、と察したみどりさんですが、それでも、胸が締め付けられるような気持ちになりました。

 

「良かれと思って、孫の顔が見たくて、来たけれど。嫌われてしまったようだ。お義母さんとしての正解が、私にはもうわからない……」

 

みどりさんは足音を立てずに部屋へ戻り、布団の中で静かに涙をぬぐいました。

次ページ現代における「義理の母と義理の娘」の関係…正解はあるのか?

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