取引先の社長へ「ロレックス」を贈りたい…経費計上できるか?
一方で、税務調査において確実に否認される、あるいは指摘を受けやすいNGパターンも存在します。
1.出張先で買った家族へのお土産
まず、出張先で買った家族へのお土産など、明白なプライベート支出は経費になりません。
2.高級時計のプレゼント
また、取引先への贈答品という名目でロレックスをはじめとする高級時計を購入する行為も、避けるのが無難です。過去の事例に、会社のお金で高級時計を買い、帳簿上は取引先にプレゼントしたことにして経費計上しながら、実際には社長自身が愛用していたケースがあります。税務調査が入れば贈答先への反面調査が行われる可能性が高く、隠し通すことは困難です。
悪質な申告と判断されれば重いペナルティの対象となります。また、たとえロレックスに社名を彫ってノベルティと主張しても広告宣伝費としては認められません。
3.金券・商品券の贈答
また、金券・商品券の贈答についても、換金性の高さから税務調査で厳しい追及を受ける可能性が高いです。実際、帳簿上は贈答用としておきながら、実際は金券ショップで換金して社長のポケットに入れるという脱税行為が過去に何度もありました。どうしても金券を贈りたい場合は常識的な金額にとどめ、記録を残しておくようにしましょう。
4.愛人手当
過去に、愛人を“外注先”として業務委託費の名目で愛人にお金を払うという手口がありました。しかし、恋人や愛人へのプレゼントは、当然ですが経費にはなりません。実態がないにもかかわらず契約書だけを作成してお金を流す行為は経費の偽装にあたります。納品物や業務メールの提示を求められれば一瞬でバレるため、絶対に避けるべきです。
5.インフルエンサーへの商品提供(PR案件)
現代のマーケティングでよくある、インフルエンサーに自社商品を無料で提供しSNSなどで宣伝してもらう行為(いわゆるPR案件)は「広告宣伝費」として経費にできます。
しかし、なんの取り決めもなくただ商品を送るだけでは否認される恐れがあります。契約書やPRの依頼書、実際の投稿のスクリーンショットを残し、「広告目的」である証拠を残しておくことがポイントです。
「記録」が税務調査の明暗を分ける
すべての贈答品において共通する鉄則は「記録を残すこと」です。問題なく経費にできる少額の品物も、判断が分かれる高額な贈答品も、最終的には客観的な証拠の有無が税務調査の明暗を分けます。
「いつ・誰に・なにを・いくらで」の4点を明確にし、自己判断に迷うグレーな支出については専門家である税理士に相談しながら、安全な節税対策を講じていきましょう。
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黒瀧 泰介
税理士法人グランサーズ共同代表/公認会計士・税理士
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