東京都から流出するファミリー層のリアルな動向
ここで、周辺3県への需要移行の背景を裏付ける公的データに目を向けてみます。
総務省が公表している「住民基本台帳人口移動報告」のデータによると、東京都から周辺3県(神奈川県・埼玉県・千葉県)への転出超過において、特に30代から40代のファミリー層と、その子ども世代にあたる14歳以下の転出超過が目立つ傾向にあります。この動向は、都心部の住宅価格や賃料の高騰が直接的な要因になっていることを証明するものと言えます。都心で希望する広さの住まいを確保できない実需層が、居住スペースを求めて確実に都外へと移動している実態が浮き彫りになります。
これは投資の観点から見れば、周辺3県の中でも住環境が整ったエリアにおける「ファミリー向け賃貸」の需要が今後も手堅く推移することを意味するでしょう。
急騰エリアでの高値掴みリスクを避けるためにも、堅実な個人投資家は「標準価格帯」のエリアに注目したいところ。
千葉県の松戸市(平均5,300万円、平米単価75.3万円)、八千代市(平均5,654万円、同74.1万円)、印西市(平均5,295万円、同69.2万円)などは、いずれも価格や平米単価が安定して推移している状況です。これらのエリアでは平均専有面積が70平方メートル以上確保されており、広さと価格のバランスが優れている点が特徴です。ゆとりある住環境を求めるファミリー入居層の長期定着が期待でき、インカムゲイン(家賃収入)の安定化に適しているといえます。
日銀による金利上昇への懸念が強まる今、過剰なレバレッジをかけた無理な投資は破綻の引き金になりかねません。
一時的な価格急騰を見せる局地バブルエリアに惑わされることなく、実需に基づく「手堅い居住需要」と「現実的な仕入れ価格」が両立するエリアを見極めること。それが、これからの不透明な経済環境下における、賢明な不動産投資戦略の基本となるでしょう。
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