神奈川・千葉の主要都市で起きた価格高騰と投資の盲点
東京23区の新築マンション価格の高騰が止まりません。
平均価格はすでに1億6,884万円に達しています。一般的なファミリー世帯が購入できる水準をはるかに超えました。結果として、実需層の居住ニーズは選択の余地なく周辺3県へと移行しています。
不動産投資家の目線で見れば、これは周辺3県の分譲マンションやファミリー向け賃貸物件に対する需要が急速に高まっていることを意味します。しかし、受け皿である周辺3県でも大きな価格変化が起きています。局地的な価格高騰が発生し、これまで「手の届きやすかった郊外」が、投資対象として急速に高額化しているのです。
不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」の2026年1月〜5月の新築マンション価格動向調査によると、周辺3県の中で急激な変化を見せているのが神奈川県と千葉県です。
神奈川県では、小田原市の平均価格が1億5,324万円、横浜市青葉区が1億2,014万円に達しました。平米単価の上昇率はどちらも前期比190%超と急騰しています。これらは高額な拠点物件が一時的に平均値を大きく押し上げた結果であり、投資用として検討する際は、局所的な急騰に惑わされない慎重さが必要です。
千葉県内でも同様の上昇傾向が見て取れます。
船橋市(平米単価144.5万円、対前期比153.7%)と柏市(同126.1万円、同156.1%)の急騰が際立っています。平均価格が1億円を超え、新たな「億ションエリア」となりました。
調査によると、都心での購入を見送った富裕実需層が、予算を維持したまま周辺3県でステータス性の高い物件を探した結果、このような高騰が起きている状況です。投資物件としての出口(将来の売却)を考える際、こうしたブランド力を持つ物件は強い引き合いが期待できる反面、初期の仕入れコストが大幅に膨らむリスクを孕む点に注意が必要です。
埼玉県は浦和・大宮が牽引…ファミリー物件の「狭小化」に罠
埼玉県では、さいたま市浦和区(平均9,494万円、平米単価145.5万円)と大宮区が市場を牽引しています。さいたま市南区も平米単価の対前期比が144.3%と、大宮や浦和を上回る強い伸びを見せています。
その一方で、ファミリー向けでありながら、物件の「狭小化」という課題も浮き彫りになりました。
調査によると、越谷市(平均専有面積58.85平方メートル)や戸田市(同59.88平方メートル)では、平均専有面積が60平方メートルを割り込んでいる実態があります。建築資材や人件費の高騰下でデベロッパーが販売価格を抑えるための措置ですが、将来賃貸に出す、あるいは売却する際、居住性の低さがネックになりかねない点を考慮しておくべきでしょう。

