(※写真はイメージです/PIXTA)

ビジネスや投資の判断に欠かせない「統計データ」。大変便利で有益ですが、データを読む側に理解力や見極め力がないと、データに翻弄され、誤った判断を下すことになりかねません。本記事では、統計データを正しく読み解くための5つの注意点について、経済評論家の塚崎公義氏が解説します。

注意④ グラフの見た目に「作成者の思惑」が潜むこともある

次の図表を見て、どの会社が1番成長しているか、考えてみましょう。

 

[図表]1番成長しているのは?

 

実は、A社が1から2に100%成長しており、1番成長しているのですが、そうは見えませんね。B社は10から19に90%成長しています。C社は10から18に80%成長しています。C社のグラフの傾きが大きくなっているのは、右目盛りが0から始まらずに8から始まっているからなのですね。

 

この手法は、統計使いが統計を使って他人を誤解させる際にもよく用いられるので、気をつけたいものです。

注意⑤ 正しい比較・正しい理解ができなければ無意味な結果に

「米国軍人の死亡率は米国民の死亡率より低い」というのは、おそらく間違いないでしょうが、「だから米軍は安全な所だ」というのは間違っているかもしれません。それは、米国軍人には定年があるので、老衰で死亡する人がいないからでしょう。米軍が安全か否かを考える際には、「20歳から60歳までの健康な米国市民」と比較する必要があるのです。

 

会社員の配偶者が無職だったとしましょう。ある日からパートで働くようになったら、家計の所得は増えますが、「我が家の勤労者1人当たりの所得」は減ります。それを見て「我が家は貧しくなった」と嘆くのは馬鹿げていますね。

 

しかし、日本全体として専業主婦がパートで働くようになると、「日本人労働者の平均所得」は下がります。それを見て「日本人は貧しくなった」と考えるのは問題ですね。高齢者についても同様で、定年退職したサラリーマン(サラリーウーマンや公務員等を含む、以下同様)が全員引退すれば、日本人労働者の所得水準は結構高いかもしれないのに、彼らが低い給料で定年後再雇用されると、日本人労働者の平均所得が低く見えます。これも「日本人は貧しくなった」とは言えませんね。

 

もう1つ。ビジネスマンへのアンケートで、評判最高のホテルと評判最悪のホテルが同じだ、ということが起こり得ます。大きなホテルは高評価も低評価も多くなるからです。

「読み取るべきメッセージは何か」を考える

インフレ率がマイナス0.1%からプラス0.1%に上がったとき、「インフレ率がプラスになった」と騒ぐのか、「大体0%で、変わりない」と落ち着いているのか。筆者は後者の立場ですが、マスコミはそれだとニュースにならないので、前者の報道をするかもしれません。

 

学者も「正しいこと」を重視するので、「海の水を一口飲んだから海の水が減った」というようなことを言う人が時々います。筆者は「誤差の範囲内だ」と落ち着いていようと思いますが(笑)。

 

今回は、以上です。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密ではない場合があります。ご了承いただければ幸いです。

 

 

筆者への取材、講演、原稿等のご相談は「ゴールドオンライン事務局」までお願いします。「THE GOLD ONLINE」トップページの下にある「お問い合わせ」からご連絡ください。

 

 

塚崎 公義

経済評論家

 

【関連記事】

「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】

 

 

 

 

【注目のセミナー情報】​​​

【国内不動産投資】8月8日(土)オンライン開催
《短期償却×安定運用》
実質利回り15%前後も狙える「トランクルーム投資」

 

【事業投資】8月13日(木)オンライン開催
未経験・1人運営でも目指せる
『買取大吉』の高収益モデルの全貌

 

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録