〈アブダビ不動産〉上半期の取引総額約5.15兆円、前年同期比112%増…ドバイと異なる顔を持つ、もうひとつのUAE不動産の実態【国際弁護士が解説】

〈アブダビ不動産〉上半期の取引総額約5.15兆円、前年同期比112%増…ドバイと異なる顔を持つ、もうひとつのUAE不動産の実態【国際弁護士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

UAEの不動産投資といえばドバイの印象が強いですが、現在、隣にある首都アブダビの不動産も興味深い動きを見せています。大きな成長を見せる数字は一過性のものなのでしょうか、それとも、今後の進展につながるものなのでしょうか。7月22日公開の「エミネンス・レポート アブダビ不動産市場 2026年上半期」をもとに、世界をフィールドに活躍する弁護士・森和孝氏が精査・解説します。

アブダビの「主要4エリア」の性格と分析

アブダビ不動産を1つの市場としてまとめて見ると、物件選びを誤ります。2026年第1四半期の取引では、フダイリヤット島、アル・リーム島、サディヤット島、ヤス島の上位4エリアだけで、取引額の過半を占めました。

 

最も取引額が大きかったフダイリヤット島は、そのポテンシャルの高さから急激に注目を集めています。低層住宅やヴィラを中心に、新しいライフスタイルを提案する大型開発が進んでいます。

 

アル・リーム島は、完成済みの住宅在庫と賃貸実績が比較的多く、金融・専門職人材の職住近接需要を捉えやすい市場です。サディヤット島は文化施設と超高級住宅、ヤス島は観光・娯楽と家族需要が中心です。

 

ただし、同じ島でも、全て同じようにパフォーマンスを叩き出しているわけではありません。「有名な島だから上がる」ではなく、周辺施設、眺望、将来の近隣の建設計画まで見据えて、完成後に誰が住み、誰が次に買うのかまで考える必要があります。

 

注:円換算1AED=44円。出典:エミネンス・レポート アブダビ不動産市場 2026年上半期。
[図表4]Q1取引額の上位4エリアと需要の特徴 注:円換算1AED=44円。
出典:エミネンス・レポート アブダビ不動産市場 2026年上半期。

アブダビは「次のドバイ」ではない

アブダビは「次のドバイ」と表現されることも増えています。しかし、両者の性格はまったく異なります。

 

ドバイは、世界中の民間資本、企業、人材を呼び込み、大きな流動性を作ってきた市場です。開発会社と物件の選択肢が多く、完成前販売から中古物件まで、幅広い投資戦略を取りやすいことが強みです。

 

一方、アブダビは首都としての安定性と政府系資本を背景に、島や街区ごとの目的を長期計画で作り込む市場です。外国人が購入できるエリアはドバイより限定的ですが、所有制度と都市計画を連動させて段階的に開いています。

 

どちらが上かという話ではありません。ドバイは流動性と選択肢、アブダビは計画性と長期的な街づくりに特徴があります。同じUAEのなかで性格の異なる2つの市場を比較できることは、投資家にとって分散の選択肢になります。

 

出典:エミネンス・レポート アブダビ不動産市場 2026年上半期。
[図表5]ドバイとアブダビ――優劣ではなく「投資の性格」が違う 出典:エミネンス・レポート アブダビ不動産市場 2026年上半期。
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