UAEの不動産投資といえばドバイの印象が強いですが、現在、隣にある首都アブダビの不動産も興味深い動きを見せています。大きな成長を見せる数字は一過性のものなのでしょうか、それとも、今後の進展につながるものなのでしょうか。7月22日公開の「エミネンス・レポート アブダビ不動産市場 2026年上半期」をもとに、世界をフィールドに活躍する弁護士・森和孝氏が精査・解説します。
アブダビの「主要4エリア」の性格と分析
アブダビ不動産を1つの市場としてまとめて見ると、物件選びを誤ります。2026年第1四半期の取引では、フダイリヤット島、アル・リーム島、サディヤット島、ヤス島の上位4エリアだけで、取引額の過半を占めました。
最も取引額が大きかったフダイリヤット島は、そのポテンシャルの高さから急激に注目を集めています。低層住宅やヴィラを中心に、新しいライフスタイルを提案する大型開発が進んでいます。
アル・リーム島は、完成済みの住宅在庫と賃貸実績が比較的多く、金融・専門職人材の職住近接需要を捉えやすい市場です。サディヤット島は文化施設と超高級住宅、ヤス島は観光・娯楽と家族需要が中心です。
ただし、同じ島でも、全て同じようにパフォーマンスを叩き出しているわけではありません。「有名な島だから上がる」ではなく、周辺施設、眺望、将来の近隣の建設計画まで見据えて、完成後に誰が住み、誰が次に買うのかまで考える必要があります。
アブダビは「次のドバイ」ではない
アブダビは「次のドバイ」と表現されることも増えています。しかし、両者の性格はまったく異なります。
ドバイは、世界中の民間資本、企業、人材を呼び込み、大きな流動性を作ってきた市場です。開発会社と物件の選択肢が多く、完成前販売から中古物件まで、幅広い投資戦略を取りやすいことが強みです。
一方、アブダビは首都としての安定性と政府系資本を背景に、島や街区ごとの目的を長期計画で作り込む市場です。外国人が購入できるエリアはドバイより限定的ですが、所有制度と都市計画を連動させて段階的に開いています。
どちらが上かという話ではありません。ドバイは流動性と選択肢、アブダビは計画性と長期的な街づくりに特徴があります。同じUAEのなかで性格の異なる2つの市場を比較できることは、投資家にとって分散の選択肢になります。
One Asia Lawyers
パートナー弁護士/日本法、UAE法、シンガポール外国法弁護士
Eminence Luxe(エミネンス・ラックス)
Founder/CEO
ブロックチェーン推進協会アドバイザー/中小企業診断士/通知税理士/適格機関投資家
2010年に弁護士登録、大阪にて主にM&Aやビジネス法務に従事した後、2017年からシンガポールに家族で移住し、英国を本拠地とする大手グローバルローファームEverchedsのジャパンデスク責任者として常駐。
2018年に弁護士法人One Asiaのパートナーに就任し、クロスボーダーM&A、Web3法務や、日系企業の海外進出・展開に関するアドバイスを提供。
2022年からドバイとシンガポールの2拠点生活に移行し、UAEとサウジアラビアに弁護士事務所を展開し、中東全域の法務サービスを提供。
2024年には、ドバイにてRERA(宅建士免許)を取得し、ドバイ不動産の仲介会社『Eminence Luxe(エミネンス・ラックス)』を創業。
2025年には、アブダビにてADREC(宅建士免許)を取得し、エミネンス・ラックスのアビダビ支店を開設。
2026年には、大阪にエミネンス・ラックス・ジャパン株式会社を設立。
Eminence Luxe(エミネンス・ラックス)
:アブダビ・ドバイ不動産仲介会社(https://eminenceluxe.com/)
ドバイおよびアブダビの不動産ブローカーライセンス保有。日系企業や日本人富裕層を中心に、不動産売買・賃貸の仲介から、会社設立、ビザ取得、銀行口座開設や住宅ローン申請まで、ワンストップで提供。
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