半年で約5.15兆円前年同期比112%増、市場に「厚み」
2026年7月17日、アブダビの不動産市場を管轄するAbu Dhabi Real Estate Centre(ADREC)が、2026年上半期の公式データを公表しました。
不動産取引の総額は1,170億AED(約5.15兆円)で、前年同期比112%増。取引件数も61.7%増加しました。2025年通年の取引総額は1,420億AEDでしたから、2026年は半年だけで前年1年分の約82%に達した計算です。
ただし、この取引総額には、通常の売買だけでなく、ローン等に伴う抵当権設定、長期の土地利用・開発権、長期賃貸、贈与などの登記も含まれます。そのうち、通常の売買は861億AED(約3.79兆円)、1万6,838件でした。金額は前年同期比163.7%増です。ローン等に伴う抵当権設定は267億AED(約1.17兆円)、8,876件で、金額は33%超増加しました。
市場を見るときは、大きな数字だけでなく、何が増えたのかを分解して理解することが重要です。今回は売買、取引件数、金融取引がそろって増えており、市場の厚みそのものが増していると読めます。
約4.1倍となった海外資金の動きに注目
筆者が今回の発表で最も注目したのは、取引総額よりも海外資金の動きです。
2026年上半期、非居住者による不動産直接投資(FDI)は138億AED(約6,072億円)に達しました。前年同期比309%増、つまり約4.1倍です。2026年の半年間だけで、2025年通年のFDIである82億AEDを倍近く上回りました。
投資家の国籍も、前年同期の82カ国から116カ国へ増加しています。英国、中国、ロシア、米国、ドイツ、フランスなどが主要な資金源として挙げられています。
特定地域の富裕層だけでなく、資金の出し手が地理的に分散し始めたことは重要です。筆者は、アブダビが「一部の人だけが知る市場」から、国際投資家がドバイと並べて比較する市場へ移る過程に入ったと見ています。
外国人が所有できる投資区域への投資額も、前年同期の267億AEDから750億AEDへ増え、伸び率は181%でした。2026年上半期には外国人の投資可能区域が8地区追加され、合計50地区となっています。



