「当たり前の節約意識」が脅かした命
「どうしてあんなに暑い中で我慢してたの?」
「エアコン、ちゃんとつけてたのよ……」
母の言葉は、嘘ではありませんでした。しかし、自宅は築45年の木造住宅。断熱性能は高くなく、28度設定ではリビングは多少冷えても、キッチンには熱気がこもります。38度という気温のなか、昼食を作ろうと立ち続けたことで体力を奪われ、倒れてしまったのです。
「もっと涼しくしておけばよかったのに」。そういうと、「節約しなきゃと思って、あんまり下げたくなかったのよ」とポツリ。
母の年金は月15万円。毎月の生活費を差し引いても2万円ほどは残り、預貯金も約800万円ありました。
「そこまで切り詰めなくても大丈夫だと思うけど……」そういう真理さんに、「この先何年生きるかわからないでしょう。介護が必要になるかもしれないし、施設に入るお金も残しておかなきゃ」と返す母。
永代さんは電気代が1万円を超えないよう気にしながら、エアコンはつけても28度設定で風量は弱め。少し涼しくなると電源を切ることもあったといいます。
そんな「当たり前の節約意識」が、まさか自分の命を脅かすとは思っていなかったのでしょう。
