出産祝い、初節句、写真撮影…「孫のため」と出し続けた1年間
「初孫でしたから、最初は何をしてあげても楽しかったんです」
由美子さん(仮名・68歳)は、同い年の夫・正夫さん(仮名・68歳)と暮らしています。
夫婦の年金収入は月約24万円。住宅ローンを完済したマンションがあり、預貯金は約1,800万円あります。
長女の彩香さん(仮名・36歳)は夫と暮らしており、1年前に第一子となる女の子を出産しました。由美子さん夫婦にとって初孫です。出産時には10万円を祝いとして渡しました。
その後、彩香さんから「ベビーカー、これにしようと思うんだけど」と写真が送られてきます。
由美子さんが「いいんじゃない」と返すと、「もしお祝いで買ってもらえたら助かる」と言われ、約7万円のベビーカーを購入しました。
「初孫ですし、これくらいは普通なのかなと思いました」
お宮参りの後の食事では、由美子さん夫婦が約4万円を負担。初節句ではひな人形代として5万円を出しました。
写真館での記念撮影についても、彩香さんから「お母さんたちも写真欲しいでしょう?」と言われ、撮影代の一部を負担しました。
もちろん、すべて娘から強く求められたわけではありません。由美子さん自身が「出そうか」と言ったこともあります。
それでも1年がたつころには、夫婦の間でこんな会話が増えていました。
「今年、孫にいくら使った?」
「ちゃんと計算してないけど、結構いってるよね」
正夫さんが家計簿を見ながら言いました。
「これ、毎年続けるの?」
内閣府『令和6年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)』によると、60歳以上の25.2%が、子や孫の生活費について「ほとんど負担している」または「一部を負担している」と回答しています。また、「今後、優先的にお金を使いたいもの」として「子や孫のための支出」を挙げた人も25.8%でした。子や孫への経済的な支援は、決して珍しいものではありません。
そんななか、彩香さんから初めての誕生日会の連絡が届きました。
「来月の日曜日、みんなで1歳のお祝いしようと思ってる。写真も撮って、そのあとホテルでご飯にしようかな」
さらに、「プレゼントは何にする?」と続きました。
由美子さんは、すぐに返信できませんでした。
